陸上自衛隊勝田駐屯地 ボート使い住民救助 複合災害備え実践訓練
水害と地震が伴う複合災害を想定し、陸上自衛隊勝田駐屯地(ひたちなか市勝倉)は13日、救助訓練を実施した。隊員約120人が参加、浸水で取り残された救助者をボートで救出するなど、実践的な訓練が繰り広げられた。
訓練は、県央地域で夜間に大雨警報が発令される中、翌朝には大洗町を震源とする震度6強の地震が発生、地盤が緩んでいた那珂川の堤防が決壊し、浸水で住民が孤立したという事態を想定した。さらに、電気やガスといったライフラインがストップし、駐屯地食堂の調理器具も故障したとした。
駐屯地では、東日本大震災でも使用された、かまどや万能調理器を備えた特殊車両を使い、100食分のご飯とおかずを作った。その後、同市枝川の那珂川で、川岸に取り残された住民役の隊員を救出する訓練に移った。
隊員たちはトラックから長さ約4・3メートル、重さ約145キロのボートを降ろし、2艇をつなぎ合わせて救助に向かい、住民役の隊員を無事助け出した。
野呂将治広報班長は「実際に近づけようと、複合災害を想定した。いつ起きるか分からない災害に対応できるよう能力の維持と向上に努めたい」と話した。
(斉藤明成)