最高峰の波山作品紹介 筑西、6日開幕 陶器や絵画44点初公開

企画展「板谷波山・神林コレクション初公開〜ふるさとへの贈り物」が6日、筑西市甲の板谷波山記念館で開幕する。同展は、元土浦信用金庫理事長の神林正雄氏=故人=と節子夫人=同=が収集し、長女の渡辺政代さん=土浦市=が昨年、筑西市に寄贈した波山コレクションの全貌を紹介するもの。波山の作品の中でも最高峰の陶芸32点、絵図などを含め計44点が初公開されている。会期は11月4日まで。市教委主催。5日、報道陣向けに内覧会が開かれた。
板谷波山(1872〜1963年)は同市出身の陶芸家で、1953年に文化勲章を受章した。会場には、西欧の芸術運動「アールヌーボー」の影響を受けた「彩磁金魚文花瓶」(11年ごろ)、唐花が青磁に彫り込まれた「葆光(ほこう)青磁唐花彫紋花瓶」(19年ごろ)などが展示されている。内覧会で作品を解説した学習院大学の荒川正明教授(56)は「穏やかで静かな作品が多い。落ち着いた品格のある波山の良さがご理解いただけると思う」と話した。
また同日は、同館を運営する一般財団法人波山先生記念会の板谷駿一理事長、須藤茂市長ら関係者が、テープカットで開幕を祝った。問い合わせは同館(電)0296(25)3830。
(冨岡良一)