2018世界湖沼会議in茨城 鉾田で環境フェア 児童ら事例発表
第17回世界湖沼会議(15〜19日)の開幕を前に、サテライト会場の鉾田市周辺の水環境を考える「市環境フェア」が8日、同市当間の市鉾田総合公園で開かれた。基調講演や事例発表が行われ、参加者は、北浦や涸沼の水質や現状、人間と自然の共存の在り方などについて考えた。
同フェアの大会テーマは「自然を尊び 農を誇り 喜びを生みだす21世紀のまち」。県や市の関係者、同市内の小中高校生、自然保護団体などから延べ約500人が参加した。主催は市世界湖沼会議サテライト会場実行委員会。
日本生態系協会長の池谷奉文さんが「世界にひとつの鉾田の自然と農」をテーマに基調講演し、人間の活動が生みだす廃棄物の影響や自然再生の重要性について語り、中でも、産業革命を「副作用として環境問題を引き起こした」と指摘。また、「(環境破壊で)生存基盤が失われることを知らない。鉾田にカンムリカイツブリがいることの価値を知らない」として、自然保護のための土地確保の必要性を訴えた。
事例発表では、市内の3小学校と県立鉾田二高、民間2団体が、それぞれの取り組みを発表した。
同市立白鳥西小は、6年生7人が登壇し、北浦の恵みや水質浄化の必要性について発表。児童は「白西北浦守り隊」を結成し、北浦のプランクトンを観察したり、ワカサギの人工ふ化に取り組んだりした。児童たちは学習の成果として「両市をはじめ多くの人が北浦と関わりを持っている」「自分たちは北浦をきれいにしたい」などと訴えた。
発表した6年、宮本涼平君(12)は、北浦の水質について「昔は泳げたのに、今は泳ぎたいと思う人もいない。とても汚くなっている」と指摘。同、香取美佳さん(11)は、今回の取り組みを通じて「みんなで北浦をきれいにしようと思ってもらえればうれしい」と話した。
会場では、北浦北部に生息する野鳥の写真、発表校や自然保護団体の活動、研究を紹介するパネルも展示された。 (大平賢二)