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ヴァレオジャパン 県内に研究開発新施設 自動運転の技術検証

大井川和彦知事を表敬訪問したヴァレオジャパンのアリ・オードバディ社長(右)=水戸市笠原町
大井川和彦知事を表敬訪問したヴァレオジャパンのアリ・オードバディ社長(右)=水戸市笠原町


フランスに本社を置く自動車部品メーカーの日本法人、ヴァレオジャパン(東京、アリ・オードバディ社長)は2日、県内に本格的なテストコースを備えた研究開発施設を新たに建設すると明らかにした。同社は自動運転を中心とした最新技術の研究開発を進めており、新施設で技術の検証などを図っていく。同社は「自動運転は近い将来実現のものとなる。新施設は成功に大きな役割を果たす」としている。

ヴァレオは世界展開する自動車部品メーカーで、2017年度の売上高は約2・4兆円。日本法人は空調システムやコンプレッサー、内装部品など自動車関連システムや部品の研究開発、製造販売を行う。県内工場は茨城工場(潮来市)と城南工場(稲敷市)の2カ所。研究拠点のつくばテクノセンター(つくば市)は自動運転システム研究開発の中核研究を担う。自動駐車や低速運転の試験を行っているセンター内のテストエリアは広さ約2千平方メートルあるが、高速試験ができないという。

新施設はつくば市の同センターから乗用車で1時間程度の場所に建設する。今年中にも着工予定。来年からの使用に向け、テストコースは始めに300メートルほどのストレートレーンを建設し、拡充していく。将来的には全長600メートルほどの楕円(だえん)形のコースとする計画で、高速走行が可能となる。

同日、アリ社長が大井川和彦知事を表敬訪問し、交通事情の情報収集を目的とした日本初の高速道路用自動運転車の日本一周完走を報告するとともに、新施設の建設を報告。大井川知事は「未来の技術の自動運転の核となる研究開発拠点を県内に拡充してもらえることは県にも明るいニュース」と喜んだ。アリ社長は「日本特有の道路事情などに対応し、それにあった技術を磨くのが新施設の役割」と話した。(磯前有花)



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