次の記事:大井川知事「記憶一切ない」

日本画家 小林恒岳さんの軌跡たどる 13日から追悼展

大作や代表作59点が並ぶ「追悼-小林恒岳展」=北茨城市大津町
大作や代表作59点が並ぶ「追悼-小林恒岳展」=北茨城市大津町


昨年6月に85歳で亡くなった石岡市の日本画家、小林恒岳(こうがく)さんの追悼展が13日から県天心記念五浦美術館(北茨城市大津町)で開幕するのを前に、内覧会が12日、開かれた。訪れた地域の観光関係者らは、初期の抽象画や、霞ケ浦など地域の自然と生き物を色彩豊かに描いた代表作から画業の軌跡をたどり、小林さんの功績に思いをはせた。

小林さんは1932年、東京生まれ。県立土浦一高、東京芸大卒。父親で戦後を代表する日本画家の小林巣居人(そうきょじん)氏が創設した公募団体「新興美術院」の中心画家として活躍した。

今展は大作や代表作を中心に、59点を年代別に展示している。小林さんの回顧展では過去最大規模。初期に試みた抽象画から環境破壊をテーマとした1970年代の作品、その後の装飾性豊かで詩情あふれる作品まで、「恒岳芸術」の全貌と魅力を紹介する。

初期の「埴輪群像 1・2」は東京芸大の修了作品とされ、没後にアトリエから見つかった。サギが天を仰ぎ嘆く「蓮池(れんち)・雲流れる」は汚染が進む霞ケ浦の自然に警鐘を鳴らした作品。草木や生き物を写実的に描く一方で日の光を幻想的に表現した「蓮池朝陽(れんちちょうよう)」や、山や森をテーマとした晩年の作品が並ぶ。

首席学芸員の中田智則さんは「身近な自然がさまざまな視点で表現されている親しみやすい展覧会。小林さんの芸術観にぜひ触れてほしい」と話した。

会期は来年2月11日まで。午前9時半〜午後5時。

(勝村真悟)

最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース