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北茨城・大津町 空襲慰霊碑を建立 新時代へ遺族ら平和願う

除幕式で慰霊碑をお披露目する建立実行委員会や遺族ら=12日午後、北茨城市大津町
除幕式で慰霊碑をお披露目する建立実行委員会や遺族ら=12日午後、北茨城市大津町


第2次世界大戦中、米軍機による爆撃や機銃で命を落とした北茨城市大津町の住民を追悼する慰霊碑が同所のポート大津に完成し、12日、現地で除幕式が開かれた。遺族や地域住民ら約70人が出席し、74年前の惨劇の犠牲者を追悼した。

慰霊碑建立実行委員会などによると、1945年4月12日正午ごろ、福島県郡山地区の軍需工場を爆撃した米軍機が太平洋沖に帰還する途中、同町中心部に爆弾3発を投下。機銃でも攻撃した。死者は市戦没者名簿で96人だが、正確な人数は不明。実行委は市史に記載された49人を正式な人数として慰霊碑を建立した。重軽傷者も49人いた。

慰霊碑建立のきっかけは家族の歴史を掘り下げるテレビ番組が昨年1月、同市出身のアーティスト、石井竜也さん一家を取り上げ、爆撃について紹介したことだった。石井さんの曽祖父も爆撃で命を落とした。

市連合遺族会の会合で話題となり建立が決定。200万円を目標に費用を募り、197の個人や団体から計273万5千円が集まった。

実行委の小峰好雄代表(80)は「戦争がなかった平成は終わり新しい令和の時代になるが、大津町に悲劇があったことを後世に伝え、いつまでも平和が続いてほしいと願っている」と述べた。

式典には遺族の山縣弘一さん(73)と鈴木啓子さん(70)、今井智子さん(65)が出席。おばを亡くした山縣さんは「自分たちも戦争を知らない世代。語り継いでいく意味で、慰霊碑をつくってもらえてよかった」と話した。(小原瑛平)

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