2019年5月9日(木)

那珂研 巨大磁場コイル設置 核融合実験装置 来春完成へ

超伝導トカマク型核融合実験装置「JT-60SA」の中心部に巨大な磁場コイルを挿入する作業=那珂市向山
超伝導トカマク型核融合実験装置「JT-60SA」の中心部に巨大な磁場コイルを挿入する作業=那珂市向山

那珂市向山の量子科学技術研究開発機構(量研機構)那珂核融合研究所は8日、欧州連合(EU)と共同で進める超伝導トカマク型核融合実験装置「JT-60SA」の建設で、「装置の心臓部」(量研機構)とされる巨大な磁場コイルの設置作業を行った。2013年1月の建設開始から約7年、終盤の重要局面となり、作業の模様が報道陣に公開された。JT-60SAは来年3月の完成、同9月のプラズマ運転開始を目指す。

実験は、日本や欧州が連携してフランスに建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)計画の一環。JT60-SAは、ITERの補完的な実験を行うとともに、次世代の原型炉を見据えた研究開発も担う。建設にかかる予算規模は日本とEUの折半で計435億円。

今回設置された巨大な磁場コイルは高さ約7メートル、直径約2メートル、重量約100トン。ITERに次ぐ世界最大級の磁場コイルで、プラズマに電流を流し、強力な磁場を生成する。

作業は、大型クレーンで磁場コイルを輸送用カバーから引き抜き、装置上部まで移動。中心部に上から下ろして挿入した。磁場コイルの直径と30ミリしか違わない空間に挿入するため、作業は時間をかけてゆっくり行われた。量研機構によると、今回の作業は「(完成まで)9分目」という。

今後は熱を遮る遮へい体や囲いを設置する作業に入る。量研機構の鎌田裕JT-60SA計画事業長は「核融合発電の一日も早い実現に貢献していきたい」と意気込んだ。

核融合は太陽で起きている反応で、研究はこれを地上で再現してエネルギーとして利用する試み。少ない燃料で大きなエネルギーを取り出すことができ、高レベル放射性廃棄物も発生しない利点がある。(三次豪)



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