映画「アルキメデスの大戦」ロケ地・笠間 原画や小道具400点
戦艦大和の建造を巡る海軍内の攻防を、数学者の視点から描く映画「アルキメデスの大戦」の公開に合わせ、ロケ地の筑波海軍航空隊記念館(笠間市旭町)でタイアップイベントが開かれている。原作となった三田紀房さんの同名漫画の原画をはじめ、ベルトや短剣など映画で使われた小道具、CG制作の参考となった戦艦大和の精密模型など合わせて約400点が展示されている。
映画「アルキメデスの大戦」は、帝国海軍という巨大権力に立ち向かい、数学の力で戦争を止めようとした男の物語。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「永遠の0」で知られる山崎貴監督が、漫画を実写化した。VFX(視覚効果)によりスクリーンによみがえった戦艦大和の雄姿は圧巻で、米軍機に攻撃され、大爆発から沈没までの壮絶な最期を精緻に描いている。
天才数学者・櫂直(かいただし)役に菅田将暉さん、櫂を使って大和の建造を阻止しようとする海軍少将・山本五十六には舘ひろしさん、このほか、笑福亭鶴瓶さん、田中泯さん、橋爪功さんら演技派が多数出演。知略・謀略に満ちた人間ドラマも見どころとなっている。
タイアップイベントでは、漫画の原画約200点をはじめ、映画の主要シーンやロケが行われた場面の写真、キャストが着用したベルトや短剣のほか、掛け軸、扁額(へんがく)などの小道具を展示。記念館が寄託所蔵し、CG制作の参考となった戦艦「大和」「長門」の精密模型なども紹介している。
主催する笠間市フィルムコミッション代表で筑波海軍航空隊記念館長の金沢大介さん(48)は「笠間の交流人口の拡大や、地域の魅力を再発見するきっかけとしたい。さらには映画への理解を深めてもらい、戦争の悲惨さ、平和の尊さを改めて感じてほしい」と来場を呼び掛けている。
会期は9月末まで。県庁でも原画約10点などを展示。問い合わせは同市フィルムコミッション(電)0296(73)5777。
(沢畑浩二)