イラストレーター・月魚さん作品展 猫の世界、優しく幻想的に
小美玉市在住のイラストレーターで陶のどうぶつ作家、月魚(つきお)ひろこさん(57)の企画展「月魚ひろこ イラストと陶のどうぶつ展」が水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。猫をモチーフとし、優しく透明感のあるCG(コンピューター・グラフィックス)と陶作品92点が展示される。会期は9月8日まで。
月魚さんは、石岡市出身。筑波大学修士課程芸術研究科美術専攻修了。1999年「第2回いばらきデジタルコンテンツ大賞・グランプリ」などを受賞。本紙、生活面の長期連載「ドクター大田のリハビリ忍法帳」のイラストを10年以上担当する。
月魚さんは大の猫好き。自宅で、保護猫や友人から譲り受けた猫6匹を飼っている。20年前から猫をモチーフに、幻想的な世界を表現。「自宅にいる猫の顔付きや全身の動きを見ながら制作することもある」
今展は、大子町の山林や水郡線の橋桁に着想を得たCG作品「猫山列車」「最終列車」「森猫は何を夢見る」や、天国へ行く猫をイメージした陶作品「楽園への招待」などが並ぶ。「殺処分や虐待で亡くなる猫もいる。イルカに乗って、天国へ旅立つ猫を表現した」と月魚さん。
また、野原や田んぼなどの現実世界に猫と妖精を表現した「ちいさなおはなしシリーズ」も見どころの一つ。子育て応援情報誌「いば☆らび」に掲載された作品の中の18点を展示。「子ども向けの作品もある。親子で心和む時間を過ごしてもらえれば」とほほ笑む。
同展を企画した、学芸員の大曽根麻希子さんは「愛らしい作品を通じて、夏休み期間中、子どもたちが美術に親しむきっかけになれば」と来場を呼び掛ける。
入場無料。毎週月曜休館(8月11〜13日も休館)。午前10時〜午後5時45分。(鈴木聡美)