2019年9月12日(木)

豊田さん写真展 原発事故被害伝える 変わり果てた福島の姿 土浦

福島原発事故後の現状を語る豊田直巳さん=土浦市大和町
福島原発事故後の現状を語る豊田直巳さん=土浦市大和町

福島第1原発事故後の被災地の状況をカメラで追い続けるフォトジャーナリスト、豊田直巳さん(63)の写真展「フクシマ〜尊厳の記録と記憶」が11日、土浦市大和町の市民ギャラリーで開幕した。事故後8年半を経て、風化への懸念が広がる中、家を追われた人々や、変わり果てた“故郷”の風景を撮影。作品50点を出した豊田さんは「いまだに10万人もの人が故郷に帰れない。被害は今も終わっていない」と訴える。16日まで。入場無料。

豊田さんは静岡県生まれ。83年からパレスチナなど紛争地を取材し、劣化ウラン弾問題、チェルノブイリの取材経験を基に、原発事故が起きた3月11日の翌日から福島に入り取材した。

写真展は「叫びと囁(ささや)き」を主題に、2011年3月から昨年までに双葉町や飯舘村といった住民が避難を余儀なくされた地域で撮影した作品を出展。

16年3月11日の双葉町では、街を追われ5年目に元住民が防護服を着て訪れた姿を撮った。豊田さんが当初取材した酪農家は牛が処分され、後に建物は解体。築300年という家も住民の避難後は解体されてしまった。墓地も他の地域に移設する例が多いという。避難中に足腰が弱りながら帰郷した女性、幼い子どもが甲状腺がんを患い自責の念に駆られる母親も描いた。

飯舘村で昨年行われた祭りは、背後の空き地に汚染土壌を詰めた袋が大量に積まれていた。豊田さんは「写真を撮るときに廃棄物を隠すのでなく、まだ身近にあるという現実を捉えたかった」と話す。

住民は普段は遠方に住むが、祭りの時だけ帰ってくる。「住民は地域のコミュニティー、つながりを全て失った」と訴える。「放射能汚染の被害は100年、200年と続く。記録することで今何が起きているかを伝えることができる。若い人も含め見た人が福島の人々に寄り添うきっかけになれば」と強調した。(綿引正雄)



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