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常陸大宮・西塩子の回り舞台 夜空丸見え歌舞伎輝く

ちょうちんがともり幻想的な雰囲気の中で行われた「西塩子の回り舞台」=20日午後、常陸大宮市塩子地区、吉田雅宏撮影
ちょうちんがともり幻想的な雰囲気の中で行われた「西塩子の回り舞台」=20日午後、常陸大宮市塩子地区、吉田雅宏撮影


台風19号の襲来にも耐えた常陸大宮市塩子地区にある日本最古の組み立て式農村歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台」で20日、地芝居などの公演があり、住民らが演じる歌舞伎に、多くの観客から惜しみない拍手が送られ、おひねりが投げ入れられた。

回り舞台は強風により、屋根の上の風情あるこもが、ほとんど吹き飛ばされ、空が丸見えの傷手を負った。不測の事態で迎えた3年ぶりの公演は、大宮北小児童の常磐津「子宝三番叟(さんばそう)」、歌舞伎の名場面「白波五人男・稲瀬川勢揃いの場」で幕開け。子どものかわいい演技に、たくさんのおひねりが投げられた。津軽三味線や舞踊劇、栃木県那須烏山市の山あげ保存会による地芝居と続き、トリを務めたのは地元の保存会員で構成する西若座。日が落ちてちょうちんに明かりがともる中、玄人はだしの歌舞伎を披露した。

西塩子の回り舞台は、文政3(1820)年の記述が残る大幕があり、今回はこの大幕を使った。早くから遅くまで多くの観客が訪れ、水戸市の塚本かよさん(72)は「素朴で素晴らしい。夜の舞台は幻想的だった」と感動していた。(蛭田稔)



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