日立・かみねレジャーランド 利用者の救出対応確認 複数遊具で事故想定

遊園地の乗り物が緊急停止するなどの事故に備えようと、日立消防署(鈴木英明署長)などは7日、日立市宮田町5丁目のかみねレジャーランドで救助訓練を行った。施設の遊具を複数使った同署員による訓練は初めて。同署の高度救助隊員や施設職員など28人が参加し、利用者の一早い救出対応を確認した。
訓練は、事故発生時の迅速な救助を目指し、施設職員との連携を強化するのが狙い。停電や故障により観覧車など4種類の乗り物に利用者が取り残されたと想定して行われた。
6人を乗せたまま高さ約3メートルの軌道上で緊急停止した子ども向けのジェットコースター「ドラゴンコースター」では、施設職員が状況を確認。駆け付けた救助隊員が乗客の体調などを聞き取り「安心してください」などと声を掛けながら、はしごやロープを使って助け出した。
大観覧車は非常発電装置が故障したとして、救助隊員が地上約30メートルのゴンドラに乗った2人を助けるため、はしご車による高所救出に取り組んだ。
同施設は、毎年この時期に独自の事故対応訓練を実施している。実際の救助活動に近い演習で隊員の技術向上を図ろうと、同消防署が訓練を同施設に提案し、合同開催に至った。
はしご車のかごで救助に当たった同隊の神永和成さん(31)は「ゴンドラに近づくのが難しかった。経験を現場で生かしたい」、鈴木署長は「安全かつ迅速な対応を確認できたことは、隊員の大きな力になる」と訓練を評価した。同施設を運営する市公園協会の生江啓夫事務局長は「合同訓練を継続し、利用者に安心して遊んでもらいたい」と話した。(湯浅奈実)