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新型コロナ、茨城県内初確認1週間 感染、新たな局面

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新型コロナウイルスの感染者が17日に茨城県内で初めて確認されてから1週間が経過した。県内感染者は24日時点で、県外在住者1人を含む6市町の10人。死者はないが1人重症で、23、24日にはつくば市などで感染源が不明のケースも発生した。封じ込めに向けて最初の正念場を迎えている。

県内では17日にひたちなか市の30代男性会社員の感染が初めて確認された。翌18日にはつくば市の20代男子大学生と、阿見町の50代男性の感染が判明。3人はいずれも海外帰国者だった。

4例目の土浦市の40代女性は都内病院に勤務。ここまでの症例について県は、海外や都内で感染した可能性が高いと分析。県内で感染が拡大している可能性は低いと見ていた。

緊張が一気に高まったのは5例目の感染者。筑波記念病院(つくば市)に11日から入院していた80代男性の感染が23日に判明。海外渡航歴も県外訪問歴もなく、感染経路は不明。記者会見で大井川和彦知事は「これまでの事例とは質が異なる」と強調、新たな局面を迎えたとの認識を示した。

さらに24日夜には新たに男女5人の感染が判明。5例目の男性の家族ら濃厚接触者3人のほか、つくば市と牛久市の40代男性2人の感染が確認された。

■県民も警戒
県の相談窓口への問い合わせも増えている。

県疾病対策課によると、県庁の電話相談窓口が受け付けた相談は初確認の17日以降に急増。同日から24時間体制に移行した影響もあるが、19日には1日の相談受け付けが初めて千件を突破、23日までの総計は1万2299件に上る。

感染の有無を調べるPCR検査を行う県衛生研究所への検査依頼も少しずつ増えている。

1日当たりの実施可能件数は、県が当初12件で運用を始めたが、現在は48件まで増やして対応。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染で受け入れた感染者の陰性確認を除くと、県内では23日までに延べ551人がPCR検査を受けた。

現時点では医師が必要と認めたケースは全件検査を実施できており「検査体制は間に合っている状況」(同課)。検査結果は検体を採取した当日か翌日には出るという。

PCR検査は公的医療保険の適用が始まり、保健所を通さずに検査できるようになったが、本県では保健所が全ての検査を把握する形を維持。今後、検査需要がさらに増えた場合、県はPCR検査機器を持つ県内の医療機関と分担して対応していく考えだ。

■追加確保へ
感染拡大に備え県は入院病床(ベッド)を県内38病院204床確保しており、広域的な入院調整の仕組みもまとめた。

ただ病院によっては「フェイスシールドなどの防護具がそろえば受け入れる」「人工呼吸器があれば重症者にも対応できる」などと条件を付ける所もあり、県は引き続き病床の追加確保と受け入れ体制の整備を急ぐ。(戸島大樹)

【県内の新型コロナ感染者(24日午後9時現在)】
患者 居住地 職業 主な行動歴 感染判明日
1 30代男性 ひたちなか市 会社員 イタリア出張 17日
2 20代男性 つくば市 大学生 欧州旅行 18日
3 50代男性 阿見町 会社員 タイ旅行 18日
4 40代女性 土浦市 派遣社員 都内病院、土浦の居酒屋など勤務 22日
5 80代男性 つくば市 元病院職員 筑波記念病院に入院 23日
6 70代女性 つくば市 無職 5例目の妻 24日
7 40代女性 県外 医師 5例目の娘 24日 
8 70代女性 桜川市 家政婦 5例目の付き添い 24日 
9 40代男性 つくば市 ダンス講師 イタリア渡航 24日 
10 40代男性 牛久市 ゴルフ場従業員 24日



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