《新型コロナ・感染拡大防止》入社式 中止・延期相次ぐ 茨城県内企業 新人研修見直しも
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月1日に予定していた入社式の中止や延期を決める茨城県内の企業が相次いでいる。動画での訓示といった例年にない取り組みが見られる中、新入社員研修についても感染拡大の防止に向けた見直しの動きが広がる。
めぶきフィナンシャルグループ(東京)は傘下の常陽銀行(水戸市)と足利銀行(宇都宮市)がそれぞれ本店で行う予定だった入行式を中止する。これを受けて常陽銀は4月1日、新入社員123人が配属先で笹島律夫頭取の訓示に当たるビデオメッセージを視聴できるようにする。
常陽銀によると、東日本大震災が発生した2011年に入行式を延期したことはあるものの、中止は初めてという。新入社員研修については4月中は研修センターで行わず、テレビ会議システムで実施する。担当者は「試行錯誤しながらより良い研修を目指していきたい」とする。
58人が入行する筑波銀行(土浦市)も同行つくば本部ビルでの入行式の中止を検討。4月上旬から1カ月間の研修を短縮するとともに、宿泊などを中止する方針だ。研修では、生田雅彦頭取の訓示に代わるあいさつの場を設ける予定という。
総合商社の関彰商事はつくば市内で開く入社式を中止に。新入社員95人は4月1日から配属先に出社する。全体や地区別、仕入れ先で約2カ月行う研修については延期し、「時期を見計らって再開しないといけない」(同社広報)。ホームセンターのジョイフル本田(土浦市)も入社式の中止を決めている。
一方、食品スーパーのカスミ(つくば市)は本社で行う予定だった入社式を延期する。代替開催日は未定で、4月1日は辞令交付のみ実施する。研修は新入社員129人を少人数ごとにグループ分けし、別々の会場で行う方針だ。
家電量販店大手のケーズホールディングス(水戸市)は入社式を中止するが、新入社員が数人規模の子会社では規模を縮小して実施することもあるという。 (小野寺晋平)