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《新型コロナ》つくばの患者、入院中とダンス教室 感染経路特定、手探り



新型コロナウイルスに感染したつくば市内の患者を巡り、県が感染経路の特定に苦慮している。入院中に感染が判明した80代男性と妻子に加え、夫婦にダンスを教えた社交ダンス講師と生徒1人の感染も判明。接点のある二つの患者グループが生まれたが、感染経路の解明につながる決め手は得られておらず、手探りの追跡調査が続く。

80代男性は肺炎の所見があり11日から入院し、23日に感染が判明。持病があり行動範囲は限定的で、最近の海外・県外訪問歴もなかった。翌24日には同居の妻と娘、家政婦の陽性も確認され、県は家庭内感染とみている。当初、男性の入院先で院内感染した可能性も浮上したが、男性と濃厚接触した医師や看護師らのPCR検査の結果はいずれも陰性。県は既に「院内の感染の疑いはなくなった」と判断している。

一方、ダンス講師の40代男性は14日以降にせきや発熱の症状が出て24日に感染が判明。1月20日〜2月1日までイタリアに渡航歴があった。

講師は3月3日に80代男性の夫婦を教えた。妻は週1回程度、講師からレッスンを受けていた。ただ県は「(講師の)帰国から症状が出るまで1カ月以上ある。海外で感染し、レッスンで夫妻に感染させたと結論付ける十分な証拠はない」とする。

■対象生徒34人

ダンス講師の濃厚接触者のうち、同僚と家族の2人は陰性だったが、27日に新たに生徒の50代女性の陽性が判明。7日と14日にレッスンを受けて、18日に発症しており、講師から感染した疑いがある。

ダンス教室について県は現在、講師の発症日(14日)から2週間以内に受講した生徒34人をリストアップし、健康観察の対象としている。症状が出ればPCR検査を行う方針で、自宅待機の必要性についても慎重に検討中だ。

■感染研に依頼

二つのグループとも依然として感染経路ははっきりしないが、県は「感染源を追えない状況ではない」としている。

27日にはダンス教室の調査を巡り国立感染症研究所に職員派遣を要請。80代男性らとダンス講師のウイルスは海外に由来するものなのか、両者のウイルスの特性が一致するのかなど、分析を依頼している。

27日会見した県保健福祉部の木庭愛部長は、ダンス教室でクラスター(感染者の集団)が発生した可能性について「どういうことが起きているか調査するために(同研究所に)支援要請した。調査しないと何とも言えない」と語った。(戸島大樹)

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