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茨城県内、新型コロナ感染急増 半月で44人 クラスターは4カ所



新型コロナウイルスの茨城県内感染者が急増している。3月17日の初確認から半月の間に計44人(2日時点)まで拡大。病院や福祉施設など県内4カ所でクラスター(感染者の集団)が発生したのが主な要因で、クラスター関連の患者が全体の7割超を占める。県は「接触者を特定し、感染状況は可視化できている。市中感染が拡大している状況にはない」としている。

4カ所の感染者数の内訳は、(1)つくば市の筑波記念病院・社交ダンス教室の6人(2)取手市のJAとりで総合医療センターの10人(3)つくば市の介護老人保健施設アレーテル・つくばの10人(4)神栖市の障害福祉サービス事業所ハミングハウスの7人。

県は感染者の行動歴調査などを理由に、4カ所とも都内など県外の流行地域を訪れて感染した関係者が、ウイルスを県内に持ち込んだ可能性が高いと分析している。クラスター関連以外の感染者も海外渡航歴など感染経路を特定しており、県内で感染源不明の患者が増加している状況ではないとしている。

このため現在はクラスターの封じ込めに力を注いでいる。同医療センターとアレーテルについては国にクラスター対策班の派遣を要請し、濃厚接触者の調査やPCR検査などを急いでいる。ハミングハウスについても集団感染が起きた千葉県の障害者施設の感染者の1人が通所していたといい、同対策班の派遣要請を検討中だ。

一方で先月27日に入院患者の感染が判明したJAとりで総合医療センターは同日以降、一般・救急外来を休止している。業務停止は2週間ほど予定しており、他の医療機関に協力要請するなど地域医療体制に影響が出ている。

感染拡大に備え県は、感染者を受け入れる入院病床(ベッド)を県内38病院204床確保している。だが現在の県内感染者44人の中には入院先が決まっていない人もいるという。医療機関側で患者の受け入れに必要な医療資材などが十分ではない例もあり、県は引き続き受け皿の整備に取り組む。(戸島大樹)



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