《新型コロナ》茨城県西部メディカルセンター 医療従事者感染で休止 地域の救急、綱渡り
茨城県西部メディカルセンター(筑西市大塚)が、勤務する医療従事者の新型コロナウイルス感染に伴い2日に外来診療や救急受け入れを原則中止してから、9日で1週間が過ぎた。地域の中核病院が休止する中、救急車の受け入れは近隣の2次救急医療機関が担うが、夜間休日診療の増加にも対応する現場の医師や看護師の負担は大きく、消防も搬送先の割り振りに苦心する。同センターによると、再開は早くて週明けごろとされ、それまではギリギリの対応が続きそうだ。
▽割り振りに苦心
筑西広域消防本部(同市直井)は筑西、結城、桜川3市の救急搬送を担う。警防課の桜井文雄消防指令長=高度救命担当=は「搬送先の割り振りには苦心している。周りの2次救急医療機関にご協力を得て、何とか乗り切っている」と苦しい実情を明かす。
患者の搬送でも普段の活動にプラスアルファの注意が払われている。「患者の渡航先の有無確認は、受け入れ先の病院も知りたい情報。作業には時間も労力もかかる」。医療機関と同様、必須とされる救急搬送従事者のマスク不足も続いており、「慣れない感染症。安全面の不安は絶えず抱えている」と話した。
▽外来患者が集中
3市の2次救急搬送は東西2区域に分けられ、東半分は通常、同センターと協和中央病院(筑西市門井、199床)の二つの医療機関が受け入れている。
同センターの受け入れ中止後、同病院への救急搬送が増加。さらに、同ウイルス感染拡大の影響で市夜間休日一次診療所が3月3日に休診となって以降、同センターと分け合ってきた1次救急医療の夜間診療を一手に担うことになり、外来患者の対応や発熱患者の問い合わせが集中している。
同病院は「発熱の患者対応に人手を取られ、救急に対応できないケースもある」とし、「現場の医師、看護師の負担は重くなっている。要請にはできるだけ協力しようと努力しているが限界もある。これが長期になるとかなり厳しい」と危機感を示す。
▽判明から2週間
同診療所は、真壁医師会筑西支部と筑西薬剤師会が協力して運営。高齢者や乳幼児も利用する複合施設「市総合福祉センター」内にあるために感染症対策や除菌作業が難しく、スタッフが感染する危険性などを考慮し、休診を決定した。同医師会の落合聖二会長は「安全を完全に確保できない。国の動きや感染者数の動向を見極めて再開したい」と説明。協和中央病院への負担は当面続きそうだ。
同センターの再開について、関係者は「新たな感染者が現れなければ、最初の判明から2週間後が再開の目安になる」との見通しを示した。(冨岡良一)
▽割り振りに苦心
筑西広域消防本部(同市直井)は筑西、結城、桜川3市の救急搬送を担う。警防課の桜井文雄消防指令長=高度救命担当=は「搬送先の割り振りには苦心している。周りの2次救急医療機関にご協力を得て、何とか乗り切っている」と苦しい実情を明かす。
患者の搬送でも普段の活動にプラスアルファの注意が払われている。「患者の渡航先の有無確認は、受け入れ先の病院も知りたい情報。作業には時間も労力もかかる」。医療機関と同様、必須とされる救急搬送従事者のマスク不足も続いており、「慣れない感染症。安全面の不安は絶えず抱えている」と話した。
▽外来患者が集中
3市の2次救急搬送は東西2区域に分けられ、東半分は通常、同センターと協和中央病院(筑西市門井、199床)の二つの医療機関が受け入れている。
同センターの受け入れ中止後、同病院への救急搬送が増加。さらに、同ウイルス感染拡大の影響で市夜間休日一次診療所が3月3日に休診となって以降、同センターと分け合ってきた1次救急医療の夜間診療を一手に担うことになり、外来患者の対応や発熱患者の問い合わせが集中している。
同病院は「発熱の患者対応に人手を取られ、救急に対応できないケースもある」とし、「現場の医師、看護師の負担は重くなっている。要請にはできるだけ協力しようと努力しているが限界もある。これが長期になるとかなり厳しい」と危機感を示す。
▽判明から2週間
同診療所は、真壁医師会筑西支部と筑西薬剤師会が協力して運営。高齢者や乳幼児も利用する複合施設「市総合福祉センター」内にあるために感染症対策や除菌作業が難しく、スタッフが感染する危険性などを考慮し、休診を決定した。同医師会の落合聖二会長は「安全を完全に確保できない。国の動きや感染者数の動向を見極めて再開したい」と説明。協和中央病院への負担は当面続きそうだ。
同センターの再開について、関係者は「新たな感染者が現れなければ、最初の判明から2週間後が再開の目安になる」との見通しを示した。(冨岡良一)