石岡市長選告示 新型コロナ対策「出陣式」取りやめ簡素化
19日に告示された石岡市長選。当日行われる出陣式といえば、各陣営が参加者数を競い合うのが常。その結果、密集した状態が長時間続き新型コロナウイルス感染拡大につながりかねないとして今回、谷島洋司・佐々木敏夫両陣営は支持者動員や来賓招待の自粛に踏み切った。代わりに簡素な「出発式」を行ったが、それでも両陣営ともに約300人が参集。対応に追われた。
「人との間隔を空け、手洗いうがいを徹底してください」。同市東光台の谷島氏の選挙事務所前空き地。出発式開始を前にこんなアナウンスが流れた。併せて周囲に消毒液も噴霧した。
式は谷島氏の決意表明以外に、県議・市議など来賓6人による祝辞も行われた。ただ県議約20人の紹介は省略し、約45分で終了した。陣営担当者は「式の時間は通常約1時間半。来賓あいさつを一部省き時間を短縮した」と、対策を講じたことを強調した。
終了後、谷島氏は握手ではなく、お互いの拳を突き合わせる「グータッチ」で支持者の間を回った。
「これだけ集まってくれるのは本当はありがたいことなんだが…」。同市杉並の選挙事務所前駐車場で行われた、佐々木氏の出発式。陣営担当者は集まった支持者を前に、当惑した表情を浮かべた。
支持者だけでなく来賓然(しか)り。事前に連絡はなく、突然訪れた他自治体の首長や議員がいた。出発式が長引くのを懸念し、あいさつなしで紹介にとどめることにした。
その結果、目安としていた30分をはるかに下回り、式は20分ちょっとで終了。「目標をクリアできた。うまくいったと思う」と、ほっとした表情になった。
藤井優雄氏は、報道陣を前に1人だけの出陣式。「近い所は自転車で回るけど有権者とは距離を保つ。あとは動画が(選挙活動として)主になる」と話した。(藤崎和則、成田愛)