茨城県中央保健所 車降りず、新型コロナPCR検査 ドライブスルー導入 水戸
新型コロナウイルスに感染したかどうかを調べるPCR検査について、茨城県は21日までに、車に乗ったまま検査を受られる「ドライブスルー方式」を始めた。実施場所は水戸市笠原町の「いばらき予防医学プラザ」駐車場。感染拡大で業務量が増えている医療機関の負担を軽減し、検査態勢を拡充するのが目的だ。
併せて、県衛生研究所(同市)は同日までに、PCR検査装置を新型コロナ向けに1台追加。1日当たりの実施可能件数を200件に増やした。
ドライブスルー方式を実施するのは県中央保健所(水戸市)。県内医療機関約10カ所が既に採用しており、保健所は初めてとなる。
対象は同保健所の「帰国者・接触者相談センター」に相談があった人のうち、感染疑いがあるとして医師が必要と認めた人。17日から開始し、毎週火、水、金曜日の午後に実施する。笠間市立病院が医師を派遣し、1日最大6人を受け入れる。
21日、県が検査手順を公開した。医師と保健師の2人は、対象者を車に乗せたまま、窓越しに綿棒で鼻の奥から粘液を取る。1人5分程度で済む。対応する医師らは感染防護用のつなぎスーツの上にガウンを着用し、二重の手袋、マスクやフェイスシールドを着けて対応する。対象者はいったん帰宅してもらい、検査結果を翌日連絡する。同日は5人が実際に利用した。
同保健所の山口文子・地域保健調整監兼保健指導課長は「入院患者が増えているので(検体採取も行う)医療機関の外来の負担を軽減したい。感染防止に注意しながら取り組んでいきたい」と話した。
また、県衛生研究所は同日までにPCR検査装置を新型コロナに1台振り向け、計4台での運用を始めた。最大150件だった1日当たりの実施可能件数を200件程度まで増やした。県によると、このほかに県内の一部医療機関で1日50件程度の検査ができる。(戸島大樹)