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石岡市長選、投票所で新型コロナ感染防止策 換気徹底、使い捨て鉛筆

使い捨て手袋をはめ、期日前投票所で順番を待つ親子=石岡市石岡
使い捨て手袋をはめ、期日前投票所で順番を待つ親子=石岡市石岡


新型コロナウイルスが全国的に感染拡大する中で始まった石岡市長選挙。市は投票する有権者の感染拡大防止策に乗り出している。一方、集団感染防止のため、入所者の外出を制限する高齢者施設もあり、投票に行くか悩む有権者もいる。

市は、投票所(期日前投票所を含む)での防止策として、(1)窓などをできる限り常時開放し換気を徹底(2)手指消毒液の設置(3)記載台や内部の除菌(4)記入・投票時に使う使い捨て鉛筆・手袋の配布(5)記載台で記入する際の隣り合わせの禁止(6)投票用紙交付時に係員は使い捨て手袋着用(7)混雑時は入り口で来場者同士の間隔を1メートル以上空けて並ぶよう協力を求める-の七つを定めた。

また昨年4月に行われた市議会議員選挙で、期日前・当日の投票所の混み具合はどうだったか、日にちと時間帯で調査。それを市のホームページに載せ、混雑を避けて投票に行く際の参考にしてもらうことにした。

期日前投票で、91歳の母親を車いすに乗せ、市役所本庁舎を訪れた女性は「ここまで対策をしてくれたので不安はない。これなら市民は安心して投票に行けるのではないか」と話した。

一方、こうした対策が取られていても、あるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居する80代女性は、投票に行くか迷っているという。このサ高住は、介護や医療と連携した支援を日常的に提供している、バリアフリー型の施設。個人差はあるが、入居者はある程度自分で動ける人が多い。

女性はこれまで選挙があると、長男の助けを借りて投票に行っていた。しかし施設は現在、内部での集団感染防止のため、入居者の外出を制限している。

市によると、県選管が指定する病院や老人ホームなどに入院、または入所している人ならば、その施設内で不在者投票ができる。しかしサ高住は対象外。入居者が、自分で動けない状態ではない、とみているからだという。

同施設は「投票に行かないでとは絶対に言えない。行く場合はマスクと消毒の徹底をお願いしている。心情的には控えてほしいのだが…」と、苦しい胸の内を明かす。

女性は「これまでちゃんと投票に行っていたから、今回は勘弁してもらおうか」と、長男に言い始めた。長男は期日前投票の混雑状況を見ながら、ため息をつく。投票日に近づくほど混雑は増すが、決められないままだ。(藤崎和則)

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