《新型コロナ》カシマサッカースタジアムでPCR検査 Jリーグ関連施設で初 11日から
サッカーJ1鹿島アントラーズのホーム「県立カシマサッカースタジアム」(鹿嶋市神向寺)が、新型コロナウイルスの感染を調べるドライブスルー方式のPCR検査センターの会場に使用されることが7日、分かった。鹿島医師会(松倉則夫会長)が同日会見して発表した。11日から運用し、1日20件を上限に検査を実施する。同ウイルス対策に絡み、Jリーグ関連施設で検査が実施されるのは全国初。
同スタジアムは、県が1993年に建設したサッカー専用スタジアム。チームを運営する鹿島アントラーズFC(小泉文明社長)が指定管理者を務めている。
Jリーグ公式戦は2月下旬から中断。4月末には6月7日までの延期も決まった。これに先立ち、Jリーグの村井満チェアマンは4月、個人的な見解とした上で、クラブハウスなど各施設を新型コロナウイルス対策のために提供する考えを示していた。
同スタジアムでの検査は、県潮来保健所が事前に対象者を選定し、平日の午後1〜3時に予約制で実施。医師など検査スタッフは鹿行の医療機関が派遣する。実際の受け入れ時の動線は会見で明らかにしなかった。
採取した検体は、県薬剤師会検査センターが県衛生研究所(水戸市)へ搬送。検査費用は国や県の補助を受ける予定で、対象外の資材費は鹿行5市が負担する。水郷医師会(飯島福生会長)も準備が整い次第参加する。検査会場としての利用は2カ月を想定する。
医師不足が顕著な鹿行地域の実情を踏まえ、鹿島医師会は2月以降、鹿行で市中感染が広がった場合に医療崩壊のリスクが高まることから、検査数増加に向けた対応を模索。4月末ごろに同FCへ協力を依頼し、同保健所や鹿行5市などと調整を進めてきた。
会見した松倉会長は、医療崩壊を防ぐため「適切に検査を受けられる場所を設けることが急務」と同検査の必要性を強調。スタジアムがある鹿嶋市の錦織孝一市長は「アントラーズが協力してくれたのは心強い。力を合わせて(同ウイルス感染拡大を)終息させたい」と述べた。
■状況の改善に 鹿島FC・小泉文明社長のコメント
運営主体となる鹿島医師会をはじめ、鹿島アントラーズのホームタウンとなる鹿行地域の医療機関、鹿行5市と連携し、状況の改善につながればと思う。これまで当たり前だった生活、フットボールのある日常を取り戻す日までクラブとしても協力する。スタジアム周辺の皆さまにはご理解いただきたい。