待望のハマグリ漁 鹿島灘沿岸で再開 新型コロナ影響、1カ月半ぶり
茨城県特産の「鹿島灘はまぐり」の漁が13日、鹿島灘沿岸で約1カ月半ぶりに待望の再開に至った。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で需要が減り、出漁見送りが続いていた。大洗町漁協卸売市場は同日、ハマグリを積んだかごが並び、水揚げした漁師は「今が一番おいしい時期」と太鼓判を押した。
鹿島灘はまぐりは、資源保護を目的に鹿島灘漁業権共有組合連合会(鹿嶋市)を構成する鹿島灘、はさき、大洗町の3漁協が輪番制で操業する。外出自粛の影響で取引価格(浜値)の大幅な下落が懸念され、当番になる大洗町漁協は3月26日を最後に漁を見合わせていた。
この日は同漁協の漁船30隻が午前6時半ごろから操業。同10時前から帰港を始め、例年よりやや少ない計8トンを水揚げした。同市場の取引価格は1キログラム当たり約600円で、前回の約700円から1割強の下げ幅にとどまった。
同漁協ハマグリ部長で、忠米丸(ちゅうよねまる)の根本茂さん(54)は「もっと需要があればもう少し水揚げしたかった。今日は遠慮した」と約1カ月半ぶりの出漁を振り返った。水産仲卸業者の松彦水産(大洗町)の小松崎秋彦社長(44)は「ものがなければ売れない。積極的に注文を取って売っていきたい」と語った。
同町漁協の臼庭明伸参事(51)は「需要の流れを見ながら、各漁協と考えてやっていきたい」と見通しを話した。