新型コロナウイルス感染症の影響で休校が続く中、生徒が自宅で授業を受けられるオンライン授業を実施している県立鉾田一高付属中(鉾田市鉾田、飯山美都子校長)では、教員も在宅勤務で授業を進める取り組みを始めた。休校中も出勤している教員の感染リスクを抑えるのが狙い。

試験的に「在宅授業」を実施しているのは、水戸市の伊藤駿教諭(30)。授業開始時間に合わせ、タブレット型パソコンを操作すると、1年生40人の顔がモニターに次々と表示された。使用するIT大手のグーグル社提供のツールは、双方向の会話が可能なため、生徒たちは活発に発言し、部屋が一気ににぎやかになった。

この日は総合的な学習の時間を実施。生徒らはパソコンの機能を使い、5月下旬の県立高付属中5校による交流授業の発表で使う「鉾田市の魅力」の資料作成に取り組んだ。お互いの製作状況も全て把握でき、伊藤教諭は生徒の作業状況を確認しながらアドバイスを送った。在宅授業について、伊藤教諭は「学校での感染を予防できるし、周りを気にせずリラックスした状態で授業に臨める」と利点を挙げた。

本年度開校した同中を含む県立高付属中5校では、ICT(情報通信技術)を活用した学習に力を入れ、全生徒にパソコンを貸与している。同中では保護者と生徒に説明会を実施後、4月30日から1日4教科のオンライン授業を開始し、在宅授業は5月7日から始めた。

授業の資料などはパソコン本体ではなく、インターネット上に保存するため、紛失による情報流失の危険性も少ないという。在宅授業を見守った寺内久永教頭は「自宅での授業が可能になれば、感染が予防でき、働き方改革にもつながる」と話した。