常総市、新型コロナ想定し災害訓練 避難所の「3密」回避 検温や誘導確認
梅雨入りを前に、常総市は8日、石下総合体育館(同市鴻野山)で水害や新型コロナウイルス感染予防を踏まえた避難所運営の訓練を実施した。保健師の指導の下、「3密」(密閉・密集・密接)の条件がそろいやすい避難所で、新型コロナ感染回避と避難者受け入れの両立を探った。市は今後、避難所運営指針やマニュアル作成に役立てる方針。
訓練には、市防災危機管理課の職員ら約30人が参加した。多くの住民が押し寄せる避難所でいかに「3密」を防ぐかが課題となっていることから、市は保健師などと避難所運営について検証した。同課の溝上博危機管理監は「今回の訓練を検証して、改善点を探っていきたい」と話した。
同体育館玄関に設けた避難者の受け付け訓練では、検温や名簿の記入を行った後、体育館に設置したテント型の避難スペースに誘導した。
その際、参加した保健師から受け付けでは避難者が密集しやすいことから、検温と名簿の記入を分けて行ったほうがいいとの指摘があった。
同市の災害時の指定避難所は計29カ所あるが、新型コロナ対策で避難者1人当たりのスペースを広く取ることで、収容人数が昨年と比べ22%減少するという。指定避難所である市内の体育館で見ると、これまでは7486人収容できたが、1人当たりの避難スペースを通常の3.3平方メートルから4平方メートルに広げたことで、5905人となった。
新型コロナ感染対策で避難所が不足することから、市は保育所や小中学校の教室、公共施設の駐車場を活用する予定だが、「教室を活用する場合は使用後の消毒も必要になる。また、市民には(避難所に来ることで)感染リスクが増えることを理解してもらい、『ステイホーム』も選択肢に入れてもらうことになる」(同課の担当者)としている。