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茨城、全18海水浴場 今夏の開設中止 新型コロナ対策難しく

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新型コロナウイルスの影響で、大洗町とひたちなか市、神栖市は8日、各市町の計7カ所の海水浴場について、今夏の開設を中止すると発表した。北茨城市も同日までに、市内1カ所の開設中止を決めた。いずれも、県外を含めた多くの来客により密集、密接することが見込まれ、感染対策を十分に取れないことを理由に挙げた。県内18の公設海水浴場のうち、他の4市の計10カ所については既に中止が決まっており、今夏は県内全ての海水浴場が開設されないことになった。

新たに開設中止が決まったのは、大洗、大洗サンビーチ(以上大洗町)、阿字ケ浦、平磯、姥の懐マリンプール(以上ひたちなか市)、日川浜、波崎(以上神栖市)、磯原二ツ島(北茨城市)の各海水浴場。

県内最多の集客を誇る大洗サンビーチなど2カ所の開設中止について、大洗町はライフセーバーの確保や来場者の感染防止対策が難しいことを理由に挙げた。

町商工観光課によると、5月末ごろ、監視活動を担う「大洗サーフライフセービングクラブ」から、大学生を中心としたライフセーバーの確保が難しいことなどを踏まえ、今期の活動は実施できないと示されていた。

さらに、県内外の海水浴場で開設中止の判断が相次ぐ中、開設した場合、例年以上の海水浴客の来場が想定され、感染防止対策が十分に講じられないことなどを総合的に判断した。「訪れる人の安全を最重視しなければいけない。苦渋の決断だった」(同課担当者)

ひたちなか市も同様の理由を挙げ、「今年は来場を控えていただき、収束後に多くの人に来てもらいたい」としている。

両市町は各海水浴場の駐車場の閉鎖や有料化などについて検討している。

県観光物産課によると、県内18の海水浴場の昨年の入り込み客数は計48万1087人。近年は50万〜70万人が海水浴を楽しむために茨城県を訪れており、宿泊事業者を含め夏の観光に対する打撃は深刻だ。

県内では2011年に東日本大震災の影響で磯原二ツ島が開設中止している。15〜17年には茨城県沖にサメが確認され、複数の海水浴場で一時的な遊泳禁止に追い込まれたが、「これだけ多くの海水浴場が開設中止となる事態は聞いたことがない」(同課)という。

県内海水浴場のうち既に開設中止を決めていたのは次の通り。

高萩(高萩市)、伊師浜、川尻、会瀬、河原子、水木、久慈浜(以上日立市)、大竹海岸鉾田(鉾田市)、平井、下津(以上鹿嶋市)



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