浸水被害、迅速復旧へ 国と茨城県、大子町 ポンプ車派遣し訓練
昨年10月の東日本台風(台風19号)による浸水被害を踏まえ、国と茨城県、大子町は7日、同町大子の町役場などで排水ポンプ車の派遣訓練を行った。久慈川の水防警報発令から国による車両派遣、現地での排水までの手順について確認し、浸水被害時の迅速な対応力向上を図った。
訓練には国土交通省常陸河川国道事務所と県、町職員に加え、地元住民らも参加。同事務所によると、東日本台風の浸水被害を受けた場所で、排水ポンプ車を使用した訓練を実施するのは初めてという。
訓練は町役場敷地内が浸水したことを想定。進入路や作業エリアを確認しながら、排水ポンプ車を町役場に隣接する押川の堤防上に配備した。その上で、参加者が実際に取水排水ホース計4基を設置。浸水エリアの水深測量やホース先端に付いたポンプの投げ入れ方などを確かめた。
また、町役場内では、浸水被害発生時に町が排水ポンプ車派遣を要請する場合の手順や、被災場所への進入経路など現地情報を国に提供する方法についても確認した。
同事務所の原田昌直所長は「排水ポンプ車を迅速に配備する段取りを確認することで、スムーズな復旧につなげる。昨年の台風被害を踏まえた防災減災の取り組みの一環として、今後も場所や形を変えて継続していきたい」と話した。
同町では東日本台風に伴い、久慈川の堤防が決壊したほか、支流の押川が氾濫。町役場や近隣の福祉施設、浄水場などが浸水する被害に見舞われた。