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《新型コロナ》茨城県内大学のサークル、新人勧誘に苦戦 リモート活動に限界

J2水戸ホーリーホックのホームゲームアナウンスを担当する小野夏鈴さん(手前)=ケーズデンキスタジアム水戸
J2水戸ホーリーホックのホームゲームアナウンスを担当する小野夏鈴さん(手前)=ケーズデンキスタジアム水戸


新型コロナウイルスの影響で、大学のサークルや学生団体がメンバー確保に苦戦している。例年なら4月の入学式直後にこぞって新入生の勧誘に動くところだが、今年はオンライン授業に切り替わるなどしたため活動PRの機会が失われた。現在も勧誘活動を続ける団体もある。団体や活動の魅力は実際に見学や体験を通して伝える部分が多いだけに、「リモート」での活動は限界があり、上級生たちは頭を悩ませている。茨城県内大学の学生に話を聞いた。

■新入生ゼロ
茨城大の学生で構成し、サッカーJ2水戸ホーリーホック(水戸市)のホームスタジアムで場内アナウンスを行うサークル「アナステ」は、現在のところ1年生が入っていない。例年、新年度が始まってすぐの「新歓祭」で活動を紹介するが、今年は新型コロナの影響で中止。新入生をスタジアムに招待して実際の活動を見てもらう機会を設けてきたが、今年は取り組めていない。

2年生の小野夏鈴(かりん)さん(20)は「例年と状況が違い、勧誘の難しさを感じている」と明かす。例年の勧誘活動の代わりとして、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使ったPR活動を展開したものの、不調に終わり、新メンバー獲得には至らなかった。

小野さんは自身の経験を振り返り「実際にスタジアムへ来て、Jリーグの手伝いができるのは貴重な経験だと思って入った。アナウンス以外にもさまざまな仕事がある。実際に見てもらえれば活動の魅力が伝わるはず」と話す。

サークルは引き続きツイッターで情報発信するほか、コロナ禍が落ち着けば見学も行う方針という。

■課題増が負担
サッカーを通してカンボジア支援を行っている筑波大の学生団体「World Fut TSUKUBA」は、1年生の新メンバーを4人確保した。恒例のビラ配りはできず、ツイッターやインスタグラムでの告知、オンラインでのミーティング体験などが奏功した。ただ、例年は10〜20人程度が入ってきたといい、現在も募集を継続する。

団体の活動の目玉は、それぞれ年2回のチャリティーフットサル大会とカンボジア訪問。カンボジアではサッカー教室を開いたり、住民と交流したりして10日間程度過ごす。本年度はいずれも中止を余儀なくされており、現在は12月のチャリティーフットサル大会に向けた会合を重ねている。

佐野惇朗(すなお)代表(22)は「今年はオンラインでの講義なので、レポートや課題の量が例年よりも多い」と、学生の負担が増えている点も活動を難しくしていると指摘。新入生の勧誘については「ミーティングの体験は引き続き行い、オンライン説明会なども実施していきたい」とした上で「10月中には一区切りつけたい。こういう状況の中で人数が少ないのは仕方がない。期限を設けて勧誘していきたい」と話した。



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