古代の生活に思い巡らす 日立・田尻小で出前授業 県埋文センター、土器や写真で説明
土器・石器などの埋蔵文化財に触れながら石器時代から古墳時代までの歴史を学ぶ出前授業が8月27日、日立市田尻町の市立田尻小学校(芳賀友博校長)で行われた。6年生の児童88人が古い歴史への理解を深め、昔の人々の生活に思いをはせた。
文化財の保護や啓発を目的に県が2016年に整備した城里町北方の「県埋蔵文化財センター」(いせきぴあ茨城)の江幡良夫主査らが、社会の授業の一環として担当。実際の埋蔵文化財や写真を使いながら説明していった。
縄文時代では争い事が少なく人々が耳飾りなどおしゃれを楽しんでいたことや、急須ややかんは縄文人の発明品だと紹介。弥生時代には稲作が行われ、石包丁で収穫作業をしたことや、弥生土器はそれまでよりも薄く軽く仕上がっていることなどを解説した。
古墳時代に地域の有力者が作った古墳には埴輪(はにわ)が置かれ「あの世に行っても寂しくないように並べたんだろうと言われている」と説明した。
授業を受けた星野弦光(げんき)君(11)は「土器や道具が現代の物に直結していることが分かった。歴史のある物に触ることができて興奮した」と話した。
同センターでは、県内の遺跡から出土した土器や石器などを展示。隣接する徳化原(とっけはら)古墳の見学もでき、郷土の歴史を学ぶことができる。小学校高学年や中学生を対象に歴史学習や勾玉(まがたま)作り、火おこしといった体験学習も実施している。