起業支援で在留資格 茨城県、オーストリア男性に付与 つくばでロケット開発へ
起業する外国人に最長1年間の在留資格を与える「外国人起業活動促進事業」(スタートアップビザ制度)で、茨城県は8日、再使用型有人宇宙ロケット開発を目指すオーストリアのレンシュ・アーロン氏に証明書を交付した。同制度による在留資格付与は県内で初。アーロン氏は今後、つくば市を拠点にロケット開発や製造、試験飛行などを展開していく。
同国で宇宙航空エンジニアリング会社を経営するアーロン氏は同日、県庁で行われた交付式で遠隔操作ロボットを通し大井川和彦知事から証明書を受け取った。高度200キロまで飛行する再使用型有人ロケットを開発し、将来的に低価格の宇宙旅行提供を目指す企業目標などを紹介した。
今後、つくば市内で10月に創業し、6年間でロケットを製品化する方針。安全性確認のため2年間の試験飛行を経て、創業から8年後に当たる2028年をめどに供用開始を目指す。
外国人が「経営・管理」の在留資格を受けるには、国内事業所の確保、資本金などの総額が500万円以上、または常勤従業員2人以上の雇用など、一定の要件が求められる。同制度ではこうした要件を満たさなくても、起業に向けた活動を可能とするための在留資格を認めている。
つくば市での起業について、アーロン氏は「オフィスと試験場の両施設が近隣で展開できる場所。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が立地していることも理由の一つ」と説明。大井川知事は「将来的にアーロン氏のロケットに乗れることを楽しみにしたい」と話した。