「事業再編へ支援必要」 ニッセイの伊藤氏、コロナの経済影響解説 鹿行政懇

鹿行政経懇話会の10月例会は21日、神栖市大野原のアトンパレスホテルで開かれ、ニッセイ基礎研究所経済研究部研究理事の伊藤さゆり氏が「コロナ危機で変わる世界と日本」をテーマに、新型コロナウイルス感染症による世界経済への影響や今後の経済政策の在り方について講演した。
伊藤氏は、新型コロナで世界経済が大きく落ち込んだものの、各国が異例の金融政策を実施したことで金融危機は阻止されたと説明。「アメリカの大幅な利下げや日銀の量的、質的緩和の継続などで世界経済が支えられている」などと現状を解説した。
日本では輸出と生産が持ち直しつつあるが、「経済活動が制約される状況が続き、企業の収益の厳しさはしばらく続く」と見解を示した。影響の度合いは業種や地域で異なっており、「コロナ後の社会のニーズに企業が対応できるよう、デジタル技術の活用など事業の再編を支援する政策が必要」と強調した。
日本を取り巻く環境は、世界規模のサプライチェーン(調達・供給網)再編や米大統領選挙など不透明な部分が多く、「どうすればより良く変わっていけるか、知恵を出し合うことが望まれる」と述べた。