石碑で甲子太郎顕彰 新選組「参謀」 生地、命日に除幕式 かすみがうら
旧中志筑村(現かすみがうら市)出身で新選組幹部の「参謀」として幕末に活躍した伊東甲子太郎(かしたろう)(1835〜67年)を顕彰する石碑の除幕式が18日、同市中志筑の志筑城跡で開かれた。碑は地元の歴史的人物に光を当てようと、有志が建てた。この日は甲子太郎の命日で、甲子太郎の墓があり暗殺された場所でもある京都から寺院の住職らが駆け付け、偉人の功績に思いをはせた。
石碑は住民有志14人でつくる「中志筑史源保全の会」が、市のまちづくりファンドを活用して建てた。碑には漢学者、塩谷温氏が甲子太郎の事績を漢文で記した書を刻んだ。城跡内の樹齢500年超といわれるクスノキの前に設置され、隣にはステンレス製の解説板と碑文の概要を記した石板を建てた。
除幕式で同会の瀧ケ崎洋之会長(79)は「碑を訪ねて、在りし日の甲子太郎の志に思いをはせてもらえれば」と期待した。坪井透市長は「歴史のロマンを感じる。住民有志の熱い思いに敬意を表したい」と述べた。
甲子太郎の墓がある戒光寺(京都市)の渡辺恭章住職(57)は「甲子太郎は死んでも天皇ゆかりの寺で御陵(皇室の墓)を守っている。生地に顕彰碑ができ、非常にご縁を感じる」と話した。
甲子太郎が新選組に暗殺され絶命した記録が残る本光寺(同)の青木照瑠(しょうりゅう)住職(68)は「顕彰されて甲子太郎も喜んでいるのでは。茨城と京都のつながりが深まり、交流が広がれば」と願った。
甲子太郎の弟で元新選組隊士、鈴木三木三郎(三樹三郎)の子孫に当たる鈴木基弘さん(51)=石岡市=は「子孫としてありがたい。1人の人物を通して研究やまちづくりが発展してほしい」と思いを込めた。