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”おみくじは除菌してから” 神社仏閣が初詣に「新しい様式」取り入れ 「三が日避けて」

鹿島神宮では事前に初詣参拝時のお願いを掲示し、感染対策を周知している=鹿嶋市宮中
鹿島神宮では事前に初詣参拝時のお願いを掲示し、感染対策を周知している=鹿嶋市宮中


新型コロナウイルス感染拡大の影響で、神社仏閣が初詣に新しい様式を取り入れる動きが出ている。茨城県内でも混雑が予想される三が日を避けて参拝する「分散参拝」への協力を求めるほか、さまざまな感染防止対策が練られている。コロナ感染が「第3波」を迎えている中、事前周知をどうするかなど課題も浮かぶ。

■「分散参拝」を
県内の初詣で三が日の人出が多いのは、鹿島神宮(鹿嶋市)、笠間稲荷神社(笠間市)、常磐神社(水戸市)、大洗磯前神社(大洗町)、村松山虚空蔵堂(東海村)など。各社寺がそろって呼び掛けるのは「分散参拝」だ。三が日の参拝を避けるよう呼び掛け、混雑をできるだけ回避することで感染防止につなげようとしている。

三が日で例年約70万人が訪れる鹿島神宮は、「初詣参拝にあたってのお願い」をすでに掲示し、参拝方法に注意を促す。検温やマスク着用のほか、境内での「対人距離の確保」「控えめの会話」などを示している。分散参拝を勧める内容も含め、今月10日からホームページなどでも告知している。

■ICタグで時短
「おみくじは除菌してから引いて」「境内での会話は控えめに」-。密を避けるため、大洗磯前神社はさい銭箱を増やし、参拝の待ち時間短縮を図るなど工夫を凝らす。

大杉神社(稲敷市)ではICタグの自動読み取り機を導入。お守りなどにICタグを付け、参拝者の購入時に自動計算して「時短」につなげる。

鹿島神宮は、参拝者の体温を自動で図る「サーマルカメラ」を導入する予定。参拝を控える人のために、祈☆(示ヘンに寿の旧字体)(きとう)したお札の郵送にも取り組む。

■いつごろ告知?
課題は参拝方法の周知だ。村松山虚空蔵堂や常磐神社はホームページの活用を予定しているが、コロナ感染の状況が変化する中、内容を決めて公表する時期をまだ決めていない。

村松山虚空蔵堂副住職の原智生さん(36)は「今後の感染拡大状況を見ながら、良いタイミングで判断したい。12月下旬になるかもしれない」と見通しを語る。

12月中旬ごろから15秒のラジオCMで周知を予定している大洗磯前神社権禰宜(ごんねぎ)の吉田卓史さん(64)は「距離を取ってもらうので参拝の列は長くなる。会話も控えめにしてもらう。それらのお願いを、どう伝えるかが大事」と話す。

県神社庁主事の林竜司さん(44)は「感染対策のお願いは参拝者の良心にゆだねるしかない」とした上で、「県内には約2460カ所の神社がある。混雑回避のため、氏神が祭られている家の近くの神社に目を向けて、初詣はそちらへ行くのも一つの方法」と提案する。

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