境町、自動運転バス運行 26日から 1路線を1日8便
境町が進めてきた全国初となる自動運転バスの公道運転が26日から始まる。町内往復5キロ区間を専用バスが自律走行。地域住民や町を訪れた観光客が利用する新たな足として期待が高まる。当面は1路線を1日8便運行し、将来的に3〜5路線に順次拡大し、24時間運行を目指す。運行開始に先立ち25日、出発式が開かれた。
運行路線は、「河岸の駅さかい」から「境シンパシーホールNA・KA・MA」(町勤労青少年ホーム)までの往復5キロを巡回する。平日の午前10時から午後3時半まで。運賃は無料。バスは3台あり、当初は1台体制で運行し、2台目の準備が整い次第、1日16便に倍増する。
バスは11人乗りで、ハンドルがなく運転手もいない自律型。衛星利用測位システム(GPS)などで自車の位置情報を把握し、設定ルートを時速18キロ以下で走行する。レーザースキャナーやセンサーで360度を監視し、道路上の障害物や飛び出しを検知する。交通渋滞を回避するためのバス待避所も設けた。
バス停を今後、住民の要望に応じて病院や郵便局、スーパー、学校など日常生活に必要な施設に設置する。世界的建築家、隈研吾さんが手掛けた町内の建物を巡るルートも考案する。
25日、運行業務を担う「BOLDLY(ボードリー、東京)」と町関係者が出発式を開き、バスの試乗会があった。式典で橋本正裕町長は「境町で実用化することで、ほかの自治体も導入しやすくなる。高齢者の移動手段や子どもたちの通学手段として、生活の中に溶け込む自動運転バスを全国に広めていきたい」と話した。