古河市長に再選した針谷力さん 市民の声聞き恩返し

「正直言って、ほっとした」。4年前と同じ相手候補との市長選で約1万4千票の差をつけ、古河市長に再選した針谷力さん。だが壇上に立っても、表情はしばらく硬いまま。多くの支持者から祝福の声や花束を贈られ、ようやく笑みがこぼれた。
選挙戦では1日当たり10カ所前後を遊説で回った。3日目には早くも声がかれたが、市民から贈られた蜂蜜で喉をケアし、市政の継続を訴え続けた。現金1万円や生活応援券5万円分を支給するとした、相手の公約への危機感もあった。「市民の良識を信じて良かった」
告示前から平日朝、JR古河駅でつじ立ちも実行。支持者の声は心の支えとなる一方で「(新駅計画の)南古河駅はいらない」との苦言も受けた。「普段は聞けない市民の本当の声が聞けた。ありがたい」。反対意見も市政の参考にするつもりだ。
目指すは圏央道境古河インターチェンジ付近の新工業地造成など、国や県、関係者、市職員らと協力したまちづくり。3市町合併時の新市建設計画は「やれるものからやっていく」と、一歩ずつ土台を積み重ねた先の実現に意欲を燃やす。
何より喫緊の課題は新型コロナウイルス対策。早速、医療機関に対する助成の議案を市議会に提出する方針だ。家族、仲間、市民に支えられて臨む2期目。「市長として役割を果たすことで恩返しをしたい」。両親、妹、妻、1男1女の7人暮らし。松並1丁目。59歳。