常陸太田市が成人式中止 茨城県内初 コロナ収束見通せず
常陸太田市は10日、来年1月に予定していた成人式の中止を決めた。新型コロナウイルス感染症が拡大傾向にあり、収束が見通せない中、参加者の健康と安全面を考慮した。関連イベントの竜神大吊橋のバンジージャンプも中止する。県教委によると、茨城県内で成人式の中止を決めた市町村は初めて。
式は1月10日に、同市中城町の市民交流センターで予定されていた。出席対象者は472人。市は感染防止策として、体温を自動測定する「サーマルカメラ」や消毒液設置、マスク着用、換気の徹底を計画。会場への入場口を出身校別に指定するほか、保護者席は別室に設けて映像をライブ中継する構想だった。
市教委は中止の理由について▽年末年始までに新型コロナの収束が見込みにくい▽新成人が約20都県から帰省するため、移動に伴う感染リスクが防げない▽若い世代に多い無症状者の把握が困難-などを挙げた。
また、成人式の関連イベントとして式の前日に実施していたバンジージャンプも中止する。
市は新成人に市長メッセージを添えた記念品の送付を予定している。
県教委生涯学習課は例年、各市町村を対象に成人式に関する調査を実施。今年は11月までに行い、常陸太田市を含め全44市町村から「中止」の回答はなかった。10日に同市から中止決定の連絡があったものの「ほかに中止の情報は入っていない」としている。