山あいに汽笛響く 水郡線、全線再開へ試運転
雨に煙る山あいに汽笛が響いた-。2019年10月に発生した台風19号(東日本台風)で久慈川に架かる鉄橋が流失し、袋田-常陸大子駅間の運転を見合わせているJR水郡線で13日、27日の全線運転再開に向けた試運転が始まった。11日までに鉄橋が復旧。同駅間を約1年5カ月ぶりに列車が走った。
12日に踏切などの設備を切り替え、運行のための最終調整を実施。13日には実際に列車を走らせて線路や踏切に異常がないことを確かめた後、運転士の訓練のための試運転を開始した。訓練では制限速度や線路のカーブ、信号の位置などを確認しながら習熟度を高め、営業運転に備える。
電車好きな幼い孫と常陸大子駅に試運転の列車を見に来た近くの主婦(67)は「(運転を)楽しみにしていた。以前は孫と一緒に実家のある西金駅まで行っていたので、また乗りたい」と再開を心待ちにしていた。