常磐線で電車と車衝突、一時炎上 車の運転手行方不明 土浦
26日午前0時8分ごろ、茨城県土浦市木田余のJR常磐線土浦-神立駅間の線路内で、品川発勝田行き下り普通列車(10両編成)が乗用車と衝突し、先頭車両の一部が脱線、車とともに炎上した。乗用車の運転者が見つかっておらず、土浦署は車を放置して逃げたとみて、道交法違反(事故不申告)や往来危険の容疑を視野に行方を追っている。
JR水戸支社によると、列車には乗客乗員64人が乗車していたが、けが人はなかった。事故により、特急を含む上下線122本が運休になるなど、約2万7千人に影響が出た。
同署によると、車は同所の県道を同市神立町に向けて進行し、道路沿いの民家の塀に衝突、反動で反対車線側の線路のフェンスを突き破り、線路内に進入したとみられる。事故直前、同署員が似た車を不審車両として追跡していた。
同支社によると、運転士は約50メートル手前で乗用車を確認し、非常ブレーキをかけたが間に合わず、衝突したという。列車は乗用車を約270メートル引きずった後、停止した。
同署によると、現場から立ち去る人物が目撃されており、乗用車を運転し、事故後に車両を放置し逃げ去ったとみている。
事故直前、同署の捜査車両が、事故を起こしたとみられる車を不審車両として追跡していた。同0時5分ごろ、同署刑事課の署員2人が捜査車両でパトロール中、後部ライトをつけずに走る乗用車を発見。赤色灯を点灯して停止を呼び掛けたところ、車は突然、速度を上げて逃走。約2キロメートル追跡したが、事故現場の周辺で見失っていた。
同署が不審車両を捜索していた同0時18分ごろ、JRの職員から110番通報を受けた。事故現場を確認したところ、不審車のナンバーの一部が事故車と一致し、車両の形状も似ていた。針替和夫副署長は「追跡行為は適正な職務であったものと考えております」とコメントした。
事故を受け、国土交通省運輸安全委員会は鉄道事故調査官2人を派遣した。
事故現場は土浦駅から北に約3キロの地点。線路と並行して県道が通り、道路は緩やかな左カーブだった。