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「お帰り」JR水郡線、全線で運転再開 台風19号から1年5カ月

水郡線が全線運転再開し、常陸大子駅に向かう下り列車を手を振って出迎える大勢の大子町民たち=27日午前10時40分ごろ、同町大子、鹿嶋栄寿撮影
水郡線が全線運転再開し、常陸大子駅に向かう下り列車を手を振って出迎える大勢の大子町民たち=27日午前10時40分ごろ、同町大子、鹿嶋栄寿撮影
水郡線が全線運転再開し、常陸大子駅に向かう下り列車を手を振って出迎える大勢の大子町民たち=27日午前10時40分ごろ、同町大子、鹿嶋栄寿撮影
水郡線が全線運転再開し、常陸大子駅に向かう下り列車を手を振って出迎える大勢の大子町民たち=27日午前10時40分ごろ、同町大子、鹿嶋栄寿撮影
水郡線が全線運転再開し、久慈川に架かる鉄橋を渡る上り列車=27日午前11時27分、大子町久野瀬、鹿嶋栄寿撮影
水郡線が全線運転再開し、久慈川に架かる鉄橋を渡る上り列車=27日午前11時27分、大子町久野瀬、鹿嶋栄寿撮影


2019年10月の東日本台風(台風19号)の大雨の影響で久慈川に架かる茨城県大子町の鉄橋が流される甚大な被害を受け、一部区間が不通となっていたJR水郡線が復旧し、27日、1年5カ月ぶりに全線で運転が再開された。同台風では川などが氾濫し、水郡線は袋田-常陸大子駅間の第6久慈川橋梁が濁流に流され、西金-上小川駅間の第2久慈川橋梁も傾斜した。順次復旧し、昨年7月に西金-袋田駅間が再開。残る第6久慈川橋梁はかさ上げし、新工法で強度を高めて完成。袋田-常陸大子駅間は今夏の復旧予定だったが、大幅に前倒しして再開にこぎ着けた。

同町の常陸大子駅周辺では梶山弘志経済産業大臣、赤羽一嘉国土交通大臣、大井川和彦知事らが駆け付ける中で記念式典が開かれた。食のイベントや常陸国YOSAKOIまつりの演舞披露なども行われ、歓迎ムードに包まれた。

この日を待ちわびた住民らは、沿線で「お帰り」「がんばろう」の横断幕や小旗などを掲げ、列車に手を振り出迎えた。同駅近くの沿線では、映画「幸福の黄色いハンカチ」をまねて、98枚の布に「お帰りなさい」「水郡線大好き」など住民思い思いのメッセージが書かれて掲げられ、駆け付けた園児らと共に再開を歓迎した。

メッセージは同町冥賀の住民有志が考えた企画で、代表の長山幹夫さん(72)は「地域に親しまれ、無くてはならない水郡線。全線開通を応援し、感謝を表したかった」と話した。嫁ぎ先の福島県から里帰りし、参加した角田由香さん(35)は「朝早く水戸市の高校にガダンゴトンと揺られながら通ったのが懐かしい」と息子2人と手を振った。

式典では、水郡線を利用して常陸大宮市から常陸大子駅近くの県立大子清流高校に通う、菊池将矢さん(17)が歓迎スピーチ。「毎日の通学が当たり前だと思っていたが、台風被害で、そうでないことに気付かされた。多くの人の熱意と誇りによって、自然豊かな車窓からの眺めが通常に戻り、うれしい」と述べた。

「全線開通がうれしくて」と数十年ぶりに水郡線で大子町に来たという那珂市の後藤邦子さん(68)。「何もなかったかのように復旧した鉄橋を通り過ぎたが、沿線では農作業中の方も手を振ってくれたり、駅到着後に大歓迎を受けたり、お祝いムードに感激した」と喜んだ。

常陸大子駅の駅前通りに久々に活気が戻り、商店街にある衣料店主の斎藤晋二さん(73)は「鉄道の人の流れがストップし、駅から降りる人も少なかったが、再開によって笑顔が戻り、活性化が生まれてくる」と期待した。

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