冷凍トンカツ、自社開発 加熱調理済み、店の味再現 クックファン
茨城県水戸市と大洗町でトンカツ店「とんかつレストラン クックファン」を展開するセブンウッズ(水戸市酒門町、常盤良彦社長)は自社開発した冷凍トンカツの販売を始めた。加熱調理済みで、揚げずに電子レンジやフライパンなどで調理が可能。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外食需要が減る中、家庭で手軽に店舗の味を楽しんでもらう。
商品は揚げたトンカツを急速冷凍させた。1枚ずつ脱酸素剤とともにパックし、1人暮らしでも食べやすいよう工夫した。電子レンジで解凍し、オーブントースターやフライパンを使って加熱することで、食感や味を再現できる。材料は国産豚肉で、ロースやヒレを使用。2、3枚ずつなどセットで販売する。届いてすぐ食べられるよう、ソースといった調味料や、調理用のアルミホイルとキッチンペーパーの一式が付属する。
クックファンは水戸店(同市酒門町)と大洗シーサイドステーション内の大洗出張所(同町港中央、木名瀬正太郎店長)の2店舗を展開。昨年からの新型コロナの影響を受けて来店客数が減少し、弁当販売を強化。新たに冷凍トンカツの商品化に乗り出した。
同出張所のスタッフが主体となり開発に取り組んだ。一般的に揚げたトンカツを解凍しても「おいしくない固定概念があった」(常盤社長)といい、解凍方法を試行錯誤し、店の常連や従業員の家族など意見を募り、改良を続けてきた。
販売に当たり包装室を設け、保健所から総菜製造業の許可を受けた。坂場向輝副店長(25)は「(店舗の)味の再現度は95パーセントの自信がある。商品で店の味を知ってもらい、店舗に足を運んでほしい」と胸を張る。
同店のホームページに、注文用ページを開設し、2月24日から出荷を開始し、3月末までに千枚以上のトンカツを販売した。注文は県外が8割を占め、最近は女性の注文も増えているという。今後、商品の種類を増やしていく方針。
常盤社長は「外食を控えている家庭で、油物の手間を省き、料理の手助けになれば。将来的にはトンカツの(利用期間に応じて料金を支払う)サブスクリプションや海外に住む邦人向けにも展開したい」としている。