《連載:筑西市の課題・市長選を前に》(下) 道路整備
茨城県筑西市は2021年度、市道「玉戸・一本松線」(約1.5キロ)の道路工事に着手する。同線が国道50号と筑西幹線道路をつなぐことで、下館駅周辺の中心市街地を囲む道のり約19キロの環状線ができる。狙いは災害時の緊急輸送の円滑化だが、沿線に複合産業系用地2カ所が検討され、市街地の拡大による人口増効果も期待されている。
18年3月、筑西幹線道路となる見込みの市道「一本松・茂田線」が開通。同線を延伸して環状線を形成する都市計画道路「玉戸・一本松線」の構想が具体化し、住民説明会の賛同を得た上で事業が進められた。市土木部は「実現を求める地元の声は熱く、反対者はほぼない状況」と話す。
18年度、道路基本設計などに着手した。21年度に用地買収を完了した上で、22年度に大谷川の渡河橋と常総線の陸橋の工事に着手する予定。24年度に供用開始する構想だ。当初見込んだ18〜24年度の7年間の総事業費は約45億円。21年度当初予算は5億1744万円が計上された。
市は「一般財源をなるべく使わぬよう努力している」と説明する。事業費には国が55%負担する社会資本整備総合交付金を活用。残る45%のうち、約95%を合併特例債、残る約5%を市の一般財源で負担している。合併特例債は国が7割を負担してくれる。
▽沿線開発
注目されるのが沿線開発だ。20年3月に作成された市都市計画マスタープラン(基本計画)では、計画の市道と大谷川、JR水戸線の間に位置する同市玉戸の「玉戸東地区」約59ヘクタール、さらに市立下館南中の東側に当たる同市二木成の「下館駅南地区」約56.4ヘクタールの2カ所が、それぞれ複合産業系検討地域に位置付けられた。いずれも農業振興地域になる。同プランは約20年後のまちづくりを見据えている。
市都市整備課は「まだ構想段階。まず下館駅南地区から作業に着手し、市街化区域への編入を含めた土地利用を検討している」と説明する。いずれも商業や流通、事務所関係の用地としての活用が中心になるとみられている。
▽時間勝負
市内の不動産会社の男性経営者は「市街地の拡大に期待がある。住宅地が増えなければ人口も増えない。開発のスピードにも注目したい」と構想を歓迎した。また、玉戸・一本松線について「良い幹線道路になるが玉戸地区の(国道50号の)渋滞緩和策も加えて必要になる」と指摘した。
新市街地の拡大により、旧市街地を空洞化させない工夫が不可欠だ。また農地転用による開発は行政手続き上、一定の長い時間が必要とされる。開発の時期により、社会・経済環境の変化に大きく左右される可能性があることも留意が必要となってくる。










