筑西市長選立候補者の横顔(届け出順)

任期満了に伴う茨城県筑西市長選が4日告示され、いずれも無所属で、新人の森正雄氏(66)、谷中徳久氏(62)、現職の須藤茂氏(69)が立候補した。3人の横顔を紹介する。
■森正雄(もりまさお)氏(66) 神社宮司 無新 3支所の機能強化を
「人口減少、少子高齢化という大きな課題に直面している。市職員約35年、市議会議員2期6年の経験を駆使し不安を払拭(ふっしょく)したい」
明るく爽やかな語り口が光る。2期目の市議を辞し、市長選に挑んだ。公約に「6つの約束」とコロナ対策を掲げ、健全な財政運営、大型商業施設誘致、自主防災組織の拡大などを主張。また夜間休日一時診療所について県西部メディカルセンター付近への移設協議を進めるとしている。
筑西市出身。大学卒業後、旧関城町役場に就職。合併後、市経済部長などを歴任した。市議選は2回ともトップ当選し、関城地区を中心に高い人気を誇る。大宮神社(同市藤ケ谷)の宮司を務め、辻集落の「火渉」など、地域の伝統行事の神事も広く担当する。
2005年の4市町合併後の課題として「しっかりした中心市街地をつくることは大事」としつつ「支所機能を充実し、3支所を中心とした街づくりを強化したい」とバランスを訴える。
座右の銘は最澄の言葉「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」。子ども3人は自立し、妻と2人暮らし。藤ケ谷。
■谷中徳久(やなかとっきゅう)氏(62) 元市長公室長 無新 財政再建へ強い決意
「私は全てにおいて全力を尽くしてやるタイプなんですよ。その場で全力を尽くして花を咲かせなさいというのが私の考えです」
はっきりした言葉から、実直で真剣な姿勢がにじみ出る。公約では主に財政破綻の回避と、「2・5次救急医療病院」としての新中核病院再生の2点を掲げる。特に財政について「第二の夕張のように財政破綻しては困る」と危機感を強める。新中核病院の方向性については「市民は脳外科や心臓外科ができると理解していたが現状は違う。市民の望むところに持っていきたい」と決意を示した。
筑西市出身。大学を卒業後、旧下館市役所に就職。合併後、市企業誘致推進局長、市長公室長などを歴任した。現在、企業と自治体をつなぐ開発コンサルタントとして活動している。
市内の自治会や消防団、ボランティア団体の活動を高く評価している。「皆で協力する地域性が本市の一番良いところ。地域がこんなによくやっているのに、行政が金をバンバン使っていたらそれは違う」
剣道3段の腕前。寺社巡り好き。妻と1男1女の4人暮らし。神分。
■須藤茂(すとうしげる)氏(69) 市長 無現 人口減少対策に注力
「結婚から子育て、教育、高齢者まで幅広く施策を行い『住んでいて良かった』という筑西市にしたい」
市長2期8年で新中核病院開院、市本庁舎移転、道の駅開設、小中一貫校建設着手などを実現。さらに誕生祝い金20万円の制度創設、住宅取得支援の拡充など人口減少対策に注力する。
大学進学時に新聞奨学生制度を活用し、都内で4年間、仕送りなしで学業を修めた。ほぼ毎日「睡眠2時間半」の生活で、夜眠りにつく瞬間を「1秒の幸せ」と形容する。国会議員秘書の仕事を通し、福祉向上に関し政治の力を実感。政治家の道に入った。言葉には説得力とユーモアがある。
市長としての日々の姿勢は「1人では何もできない。市職員の協力を得ていろいろな物事を決め、議員に相談し、市民に安心してもらう」を心掛ける。
市行財政改革の成果に自信を示し、「現在、45億円の財政調整基金を蓄えており、『夕張になる』とか『財政再建したい』とか、そういう批判の言葉は当てはまらない」と断言する。
趣味は野球と川釣り。子ども3人は自立し、妻と2人暮らし。女方。