親子、盲導犬と触れ合う 犬と一緒に読み聞かせ 水戸市立見和図書館
水戸市見和の市立見和図書館で18日、定期的に子ども向けの読み聞かせ会を開いているグループが、初めて犬との触れ合いを融合させた会を開き、参加した親子連れらが命の大切さなどについて学んだ。米国では図書館にセラピー犬「読書介助犬」がいる。茨城県内の図書館で犬が入る催しが開かれたのは初めて。
グループは県動物愛護推進員ら女性3人。同館で「動物愛護パネル展」を開いたのをきっかけに、2015年3月から毎月1回、動物の絵本を読み聞かせる「わんにゃんおはなし会」を開いている。動物との共生社会を身近に感じてもらおうと、同館に犬の参加を申し入れ、実現した。
会は約1時間。未就学の子どもを連れた8組約20人が参加した。グループの飯塚みどりさん(64)らが、盲導犬を紹介する活動をしてきたラブラドルレトリバーのジョン(雄、10歳)を傍らに置き、紙芝居「ぼくはもうどうけん マーク」と絵本「おれさまはネコだぞ!」を子どもたちに読み聞かせた。
飯塚さんは冒頭、子どもたちに犬の触り方などを伝授。ジョンにハーネスを着けて一緒に会場を歩き、段差や障害物を教えるジョンの姿を見せて「盲導犬を見掛けたら、そっと見守って」と呼び掛けた。読み聞かせの後、動物が登場する絵本数冊を紹介。子どもたちは順番にジョンをなでたり、一緒に写真を撮ったりして触れ合った。
盲導犬に興味があったという市内の高須慶子さん(46)は「大人しくて本当に賢い」、息子の蓮君(5)は「全部楽しかった」と満足げだった。飯塚さんは「動物が最期まで飼われることが当たり前なんだと伝わったと思う。絵本の力は大きいが、実物がいるとより分かりやすい」と手応えを話した。
会は、事前申込制。感染症対策で参加組数を制限した。同館は動物アレルギーなどがある人たちのため、ポスターなどで利用者に開催を知らせた。竹内悟館長(61)は「動物愛護を題材にこうした空間でできたのは良かった。図書館には可能性がある。いろんなことができるといい」と今後に期待感を示した。
飯塚さんによると、ジョンは千葉県内の図書館で同様の催しに参加したことがあるが、県内では初めて。米国の訓練された「読書介助犬」は子どもたちが本を読む間、じっと聞いている。自己肯定感を高めるなどの効果があるとされる。