日立市、高齢者コロナワクチン接種 施設入所者29日から、在宅は5月下旬
新型コロナウイルス感染対策のワクチン接種で、茨城県日立市は28日、高齢者向けのスケジュールを発表した。高齢者施設の入所者と職員向けを29日に開始するとともに、在宅の一般高齢者を75歳で区切り二つに分け、5月下旬から順次、接種する。市内の高齢者全体を8月下旬までに完了する見込みとしつつも、市は「国が示す7月末までの完了にできるだけ近づけたい」としている。
市地域医療対策課によると、市内87カ所の高齢者施設の入所者約2700人とと職員約2300人の計約5千人に対し、特別養護老人ホーム▽老人保健施設▽その他の施設-の順で29日から接種。7月上旬の完了を見込む。
一般高齢者約5万6千人は「75歳以上」と「65〜74歳」に区分する。全国的に予約開始当初で大きな混乱が生じている実態を踏まえ、2区分することで「かなり予約の集中は回避できる」(同課)と想定する。
75歳以上は5月中旬に予約、同下旬に接種を開始する。65〜74歳は予約、接種ともに6月上旬に始める予定だ。高齢者には3月末に接種券と予診票などを送付しており、5月中旬に予約・接種開始時期や接種医療機関66カ所のリストなどの案内を郵送する。
市は身近なかかりつけ医での個別接種を基本としており、予約も電話で各医療機関に申し込む。市は医療機関に対する事前のアンケートに基づき、高齢者全体の完了時期を8月下旬と見通す。ただ、同課は「医療機関側も接種に慣れてくれば1日当たりの回数も増える」とみており、7月末までに終える可能性もあるとの見方を示す。
県が高齢者施設に次ぐ優先接種と位置付ける障害者施設の入所者と職員に関して、市は高齢者施設向けの進捗(しんちょく)をにらみながら、接種を始める方針だ。市内には22カ所の障害者施設があり、入所者は215人。市は今後、職員数の把握に乗り出す。
一方、3月中旬に接種が始まった市内の医療従事者約6千人について、市は25日現在で2回接種を終えたのは約千人にとどまると説明した。