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《新型コロナ》ワクチン 一般高齢者接種始まる 茨城県内で初、古河から

県内で初めて、一般高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった=1日午前、古河市下大野の中央運動公園総合体育館、代表撮影
県内で初めて、一般高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった=1日午前、古河市下大野の中央運動公園総合体育館、代表撮影


茨城県初となる一般高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が1日、古河市で始まった。事前に予約した市内在住の65歳以上989人が手順に従い、医療従事者から接種を受けた。接種は2日も行われ、両日で合わせて約2千人が接種を受ける。ただ、県内の大半の市町村で一般高齢者のワクチン接種が本格化するのは、供給量が増える5月半ば以降の見通しだ。

同市の一般高齢者接種は主に集団接種で実施。対象者は来年3月末までに65歳以上となる約4万人。両日は県から割り振られたワクチン3箱分を使い、24日から実施する約3万8千人に対する本格接種に先駆ける形で行った。今回の被接種者は3週間後の22、23日に2回目の接種を受ける。

会場の中央運動公園総合体育館(同市下大野)では、被接種者が30分間隔で77人ごとに接種。医療従事者ら計170人が対応し、医師が予診票で体調を最終確認した上で、左腕へスムーズに針を刺した。

■目立った混乱なく
接種後は経過観察を15〜30分間行い、副反応がないかを確認。被接種者はスタッフの指示に従い、落ち着いた様子で接種を済ませていた。市によると、目立ったトラブルはなかった。

夫と一緒に接種した同市小堤、会社役員、海老沼澄江さん(77)は「わくわくして待っていた。もっと時間がかかると思っていたが30秒ほどで済んだ。胸を張って孫たちに会える」と安堵(あんど)の表情で語った。

同日は、未接種の医療従事者211人の接種も行い、キャンセルで残った11人分のワクチンも使用した。

終了後、市医師会の秋葉和敬会長(64)は「トラブルなく終えてほっとしている。各部署の協力でスムーズに進めた」と総括。一方で薬液の準備などに課題があったことなど挙げ、今後の接種に向けて洗練していきたいと述べた。

■多くが中旬から
高齢者向け優先接種で、県内の対象者は約84万人。県が独自の優先順位として(1)高齢者施設入所者・従事者(2)障害者施設入所者・従事者(3)その他の高齢者-と決めたため、大半の市町村が施設入所者からスタートさせる。

一般高齢者の接種については、多くの市町村が5月中旬から下旬に接種開始を見込み、水戸や石岡など8市町は6月以降となる見通し。「75歳以上」などと年齢で優先順位を決める自治体もある。

茨城県へのワクチン配分量は、4月から5月3日の週までが約14万7千回分(151箱)と限定的で、同10日の週と17日の週には約37万9千回分(324箱)と若干増える。合計で約52万6千回分となるが、対象の約84万人が2回接種する分の3割にとどまる。

高齢者に先立ち始まった医療従事者についても、県内の対象者約9万人が完了するのは6月上旬以降の見通し。当初は高齢者の接種が始まる前に終える想定だったが、大幅にずれ込んでいる。

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