衆院選茨城5区 浅野哲氏 「背水の陣」で逆転
衆院選茨城5区は、国民前職の浅野哲氏が自民前職・石川昭政氏とのデッドヒートを制し、2回目の当選を初の小選挙区勝利で飾った。前職同士の激しい戦いは、やや劣勢と見られていた浅野氏が最終盤でひっくり返した格好だ。
浅野氏は日立製作所労組出身で、連合茨城や電機連合の全面支援を受けた。陣営は「比例復活はない」として、背水の陣で臨んだ。公示直前を含め、国民の玉木雄一郎代表が3回も5区に入るなど、党を挙げた応援態勢が組まれ、連合の芳野友子会長も駆け付けた。「何より政治の信頼を取り戻したい」との浅野氏の真っすぐな訴えが徐々に浸透した。
石川氏は新型コロナ対策などの実績を強調。首相経験者らが相次いで応援に入るなど盛り上げを図ったが、一歩及ばなかった。共産新人の飯田美弥子氏、無所属新人・田村弘氏は支持に広がりを欠いた。
■「現場主義」を貫く
日立市幸町2丁目の日立製作所労組日立国分支部日立地区センターに、午後8時半前に「当確」が流れ、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。浅野哲氏は「退路を断った背水の陣の戦いだった。この4年間、いろいろな地域で育てていただいた。全ての人の勝利だ」と強調。「現場主義を貫き、助けを必要としている人のために働きたい。国会議員の仕事はこれから始まる」と表情を引き締めた。
【略歴】党県連代表、党青年局長。当選2回。元=議員秘書、日立製作所日立研究所研究員。青山学院大大学院修了。日立市神峰町4丁目