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茨城県龍ケ崎市長選立候補者の横顔(届け出順)

藤木妙子氏、中山一生氏、萩原勇氏(左から届け出順)
藤木妙子氏、中山一生氏、萩原勇氏(左から届け出順)


任期満了に伴う茨城県龍ケ崎市長選が12日告示され、いずれも無所属で、新人の藤木妙子氏(68)、現職の中山一生氏(59)、新人の萩原勇氏(46)が立候補した。3人の横顔を紹介する。

■藤木妙子氏 「談合との決別」掲げ
「別に選挙が好きなわけではない。市民の声を伝えたいだけだ」

市長選への立候補は4度目。「よく出るね」と周囲に言われても、激励のように受け止める。

福岡県出身で市議当選2回。1987年に横浜市から龍ケ崎市に移った。

政治の原点は市民活動にある。転居して1週間もたたない頃、製薬会社による遺伝子組み換え研究施設の計画があると知り、反対のため地域住民たちと行動した。当時の市長の決断もあり、白紙撤回されたという。「政治は暮らしを良くするのかもしれない。スイッチが入った」

今回の選挙では「談合との決別」を第一に掲げる。念頭に置いているのは、今春に露見した官製談合防止法違反事件だ。「市民はがっかりしたはず。誇りを取り戻す。制度を悪用しない人がトップになれば自然と変わる」と訴える。

市内で土産物店を営む。趣味はチェロやバイオリンの演奏。中学校の音楽講師を務めた経験がある。家族は事実婚のイタリア人パートナー。一人娘は独立した。11月に2人目の孫が生まれた。長山2丁目。

■中山一生氏 言い訳せず再発防止
「果たさなくてはならない責任がある」

市政史上で空前の4選を狙う。出馬を表明するその日まで、進むか引くかで心は揺れた。

今春に発覚した官製談合防止法違反事件では、右腕と頼んだ副市長に加え、建設業界に連なる支援者が逮捕されるなどした。公の場で繰り返しわびた。「辞職も真剣に考えた」という。

それでも-。「言い訳せずに再発防止を進める」。迷いの末に、自分なりの答えを見つけた。

祖父も父も国会議員だった。今は亡き父の政策担当秘書や県議を経て、2009年の市長選で初当選した。受け継ぐべきところは「手柄話をしない中山家の美徳」だ。家風に従い、実績は誇示しない。

今回は「市民に近づく選挙」で臨む。大きな力には頼らない。その先に公正な政治があると信じる。事件の背景には、過去の選挙で生じた悪いつながりがあったと反省する。「しがらみを残さない。勇気を持って実行する」

家族は妻と1男1女。趣味は弓道。「娘も中学で始めたので一緒に的を射たい」。龍ケ崎市。

■萩原勇氏 情報届け信頼回復を
「不名誉な龍ケ崎の状況を正していく」

当選4回の県議を辞し、市長選に挑む。

市発注工事の入札を巡る官製談合防止法違反事件に「ふるさとのピンチ」を感じ取り、くら替え出馬を決断した。制度面での再発防止策を問われれば「勉強不足」と謙虚に認める。だが、市民に示す姿勢は明快だ。「情報をしっかり届ける。悪いところを直すとはっきり言う。そうしなければ、信頼回復には至らない」

人生の半分を政治の世界で過ごした。参院議員秘書や市議を経て、2009年の県議補選で初当選を飾った。培ったネットワークは「最大の財産だ」と情熱を込めて語る。近年は、同志の自民県議が続々と首長に転じており「連携も取りやすい」と見据える。

スポーツマンで知られる。県議でつくる野球チームでは「エース級」の存在。プロ野球選手を輩出した地元リトルリーグの会長にも就く。

家族は妻、1男1女、愛犬2匹。18年の県議選に続き赤ちゃんを抱えての戦い。趣味は料理。「デミグラスソースを3時間かけて作る」。羽原町。

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