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《解説》茨城県龍ケ崎市長選 「公平公正」取り戻せ

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任期満了に伴う茨城県龍ケ崎市長選は19日、即日開票の結果、無所属新人で元県議の萩原勇氏が初当選を果たした。官製談合防止法違反事件で揺れた市政の立て直しは、46歳の若き新トップに託された。萩原氏の至上命令は、名誉挽回をおいてほかにない。市に渦巻く「あしき慣習」をしっかり直視するとともに、公平公正の原則を取り戻すことを望む。

今春に露見した事件は表面上、職員による入札情報の漏えいだ。しかし本質は、市長の有力支援者で建設業界に連なる人物が専横を働いた点にある。職員から聞き出した入札情報を地元建設会社に伝えることを繰り返した。市長の政治基盤を固めるためだった。

市上層部と結託した人事や事業への介入…。事件を契機に、数々の疑惑も生じた。結果として、統治そのものが問われた。

逆戻りしないよう、市政にしがらみを持ち込むべきではない。選挙では怪文書が舞い、萩原氏自身も政党の後押しで強力な組織戦を繰り広げた。しこりは残らなかったか見つめ直してほしい。事件の背景には、選挙に絡む論功行賞と見せしめがあった。こうした事実から目を背けず、周囲に軽挙妄動があれば戒めたい。

事件発覚後につくられた第三者委員会は、来年2月にも、原因究明と再発防止に向けた調査報告書を市に提出する。建言を実行に移せるかで手腕が試される。

応援に参じた大井川和彦知事らと共に事件を論難した萩原氏。だが、不祥事から得た教訓もあったはずだ。

同じ轍(てつ)を踏むな。

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