新型コロナ オミクロン茨城県内初確認 「怖い」「影響心配」 初詣客や飲食店、不安の声

正月ムード真っただ中の2日、茨城県でも初めて新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が確認された。県内では新規感染者数が小康状態にあり、初詣客が訪れる寺社や飲食店、宿泊施設などがにぎわいを見せているが、オミクロン株確認に感染拡大の波の再来へ不安が広がった。
オミクロン株確認のニュースに、初詣で水戸市常磐町の常磐神社を訪れていた、ひたちなか市、会社員、荒井裕二さん(51)は「これまで(オミクロン株を)人ごとのように感じていた。とうとう来たか、という気持ち。出歩くのが怖くなる。今も人混みを避けるなど感染対策に気を使っているが、今後はさらに気を付けようという気持ちになった」と心境を語った。
これまでも感染拡大による影響を受けてきた事業者たちにも懸念が広がる。つくば市下広岡の飲食店「煮こみ食堂まるしば」の店主、柴田高之さん(49)は「感染が全国的に減ってきていたので胸をなで下ろしていたところだった。今後の客足への影響が心配だ」と不安を口にする。同店では、昨年の緊急事態宣言下で客の数がコロナ流行前の3分の1程度に減少したが、宣言解除後は徐々に客足も戻りつつあった。
日立市水木町の旅館「ひたち湯海の宿 はぎ屋」では、年末年始に家族やカップルを中心にコロナ禍以前並みの宿泊客が訪れており、萩庭徹支配人(45)は「われわれとしては感染対策や健康管理を抜かりなくやっていて、お客さまにも協力していただいている。変わらず対策して営業していくだけ」と冷静に受け止めた。
コロナ対応に当たる県内保健所は、年始の休み返上で警戒に当たっている。県感染症対策課によると、県内では新規感染者数は小康状態にあるが、オミクロン株感染者の濃厚接触者は2日現在、160人(健康観察終了者を除く)。管内に濃厚接触者が多い保健所では、宿泊施設への入所調整のほか、自宅待機者への電話による健康観察や定期的な自宅への検体回収などに追われている。同課は「今後来る感染の波を小さくするためにも、県民の皆さまには引き続き感染対策をお願いしたい」と話した。