津波注意報 茨城、人的・物的被害なし フェリー大幅遅延
気象庁は16日午前0時15分、太平洋側の広い範囲に津波注意報を発表した。茨城県内でも15日夜に沿岸の潮位が上昇し始め、16日未明に大洗で最大60センチ、神栖市鹿島港で同50センチの津波を観測した。潮位上昇に伴う被害は確認されていない。
水戸地方気象台によると、15日午後8時42分に大洗、同43分に鹿島港で津波の第1波を確認。16日午前0時48分に鹿島港で50センチ、同3時48分に大洗で60センチを観測した。
県防災・危機管理課は茨城県沿岸を含む津波注意報発令を受け、職員が参集し、情報収集に当たった。
同課によると、同日午後4時現在、県内で人的・物的被害はない。避難所は日立市が12カ所、ひたちなか市が6カ所開設し、計13世帯28人が避難した。運転停止中の東海第2原発(東海村)など、県内の原子力関連施設から異常の報告はない。
大洗発着のフェリーは影響で大幅に遅延した。商船三井フェリーによると、同日未明に大洗から苫小牧(北海道)へ、苫小牧から大洗へ出発予定だった両便は、津波注意報発令を受け港外待機し、同日午前10時ごろ航行を開始した。
路線バスにも影響があり、茨城交通は日立市内の沿岸を通る一部区間で同日朝から運行を見合わせた。
県内のJR各線、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線、ひたちなか海浜鉄道湊線は平常運行だった。