新型コロナ まん延防止開始 茨城県民、自粛の波に苦慮 飲食店は時短対応「またか」「不安だ」
新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置期間が茨城県内で27日から始まった。この日から営業時間短縮の要請に応じた飲食店は、酒類提供停止や午後9時以降の営業自粛などで対応した。学校は来週以降、休校やリモート授業になることが各市町村から相次いで打ち出された。県民からは「またか」「不安だ」といった声が上がり、感染拡大に伴い繰り返される自粛の波に苦慮していた。
水戸市見和1丁目の飲食店「薫風 梅み月」は27日から酒類の提供を終日取りやめ、閉店時間は2時間繰り上げて午後8時までとした。横川修三店長(43)は「売り上げが減っている中、またかという思い」と肩を落とした。
昨秋の緊急事態宣言解除以降、宴会は少人数ながら戻りつつあった。だが、まん延防止措置の要請発表後は、予約のキャンセルが相次いだ。
例年なら「水戸の梅まつり」に合わせたバスツアーの団体予約が入る時期。まつりの開幕延期も検討され、今年の動きは鈍い。このまま感染拡大が続けば春の歓送迎会も「どうなるか分からない」と嘆く。
コロナ禍以降、料理の宅配や持ち帰りに力を注いできた。今回の感染拡大を受け、横川店長は「テークアウトや出前でも、お店と同じようにおいしく味わってもらえるよう準備していく」と語った。
県民や茨城県への通勤者からは、繰り返される自粛要請に対し複雑な気持ちが垣間見えた。
東京都内の会社に通勤する土浦市の会社員女性(52)は「仕方ない。妥当なのではないか」。会社ではまん延防止措置の検討以前からテレワークが推奨され、現在は週に1、2回の出勤だという。「帰ってきてからの食事も自宅で食べている。引き続き気を付けたい」と述べた。
千葉県内の会社に電車通勤する阿見町、会社員、男性(64)は「会社の対応が昨年ほど厳しくない印象」と現状を説明する。昨年のまん延防止措置が適用された際は、テレワークなどが推奨されていた。今回は特に目立った対策が取られておらず、「会社は都内から通勤してくる人も多く、不安だ」とこぼした。自己防衛策として男性は、ラッシュ時を避け、できるだけ早い時間帯で通勤しているという。
都内から県南地域に出張で訪れた研究機関の役員男性(62)は、「感染を抑えるためには仕方がない」とまん延防止措置に理解を示す。この日は土浦市内のホテルに宿泊予定で、夕飯は弁当を購入し、部屋で食べるという。「たとえオミクロン株の症状が比較的軽いといっても、濃厚接触者になれば2週間待機となってしまう。感染対策への気持ちの厳しさは昨年の夏と変わらない」と話した。